英字紙ウォッチング

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安価なマネー時代の終焉

 曇り。

 安価なマネー時代の終焉。コロナ危機のさなか、個人や企業、政府は大量の資金を借り入れた。しかし、今やその状況にブレーキがかかりつつある。

 世界中の金融市場はノルウェーの金融政策についての評決にほとんど釘付けになることはなかった。しかし、今週は事態は異なっていた。

 ノルウェー中央銀行は0.25%の利上げを行ったのだ。これは世界中に広がっていた金融政策サイクルの明確な転換を印象づけた。

 ノルウェーの金融引き締めに伴い、コロナ危機が始まって以降の先進国経済として初めて、金利を引き上げた。先進国以外ではパキスタンハンガリーパラグアイとブラジルが利上げを行っている。同時に米国と英国の中央銀行は金融政策の引き締めに動くとのシグナルを発している。

 金融政策の守護神たちは一般的にいって、経済の回復が今年初めに懸念していたよりも力付与委ものであることに満足している。しかし、同時に安価なマネーの時代が長くなりすぎたとの懸念も同時に抱いている。そのことにより、インフレ懸念を招き、過剰な借り入れが金融の不安定性を増してしまうのではないかと考えている。

 経済の正常化は、政策金利の緩やかな正常化を示唆している。ノルウェー中央銀行の総裁は今回の決定についてこのように解説した。金利の下限であるゼロ金利から0.25%へ引き上げることは、最後の利上げではないとも強調した。

 ノルウェーでは2%のインフレ目標に近づいている。金利を緩やかに引き上げていくことは、家計の高い債務比率や住宅価格の上昇など、金融上のインバランスを解消することにもつながる。

 ノルウェーの経済トレンドは先進国経済と共通する。OECDの力強い見通しによると、G20諸国の経済は、2022年末までにコロナ前の水準まで生産も雇用水準も回復すると見通している。

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