英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

オーストリア総選挙

 晴れ。

 オーストリアでは総選挙が行われる。副首相の辞任に伴うものだ。

 政治的な支持と引き換えに、副首相が利益のあがる政府との契約を提供したことを示す動画が暴露されたためだ。副首相は土曜日に辞任し、選挙を求める5000人の抗議者が押し寄せた。

 https://www.ft.com/content/64c8786c-795c-11e9-81d2-f785092ab560

ブレイナード講演

 Fedのブレイナード理事の講演。

 ブレイナード理事は木曜日に講演し、米国経済がニューノーマルとなっている中、インフレ目標をわずかにオーバーシュートさせることを中央銀行は許容することができる、と述べた。金利を低く保つことで期待を強化することが狙いだ。

 労働市場の需給がひっ迫しているのに、物価はあまり反応しなくなっている。そして、トレンドインフレ率はFedが掲げる2%の目標を幾分下回っているように見える。

 この、目標をわずかに上回る物価目標を掲げることは、数年続くとみている。

 Fedは2018年に4回利上げをした後、利上げを休止している。今月初め、パウウェル議長は、中央銀行の目標金利をどちらの方向にも動かす場合は考えにくい、と述べた。Fedの予想では、今年FF金利の引き上げはない。投資家は利上げを織り込んでいる。

 ブレイナード理事は利下げの可能性について言及しなかったが、長期の中立金利は歴史的にみて、低めで推移しているように見えると述べた。

 https://www.ft.com/content/6ba2f5aa-77f8-11e9-bbad-7c18c0ea0201

トランプ、対中国包囲網を発動

 中国に焦点を合わせるため、トランプ氏は同盟国に対する関税を引き下げる。まずはカナダとメキシコの間で進め、欧州や日本に課する予定だった関税を延期する。

 トランプ氏は米国の同盟国との貿易に関する緊張を和らげる方策に打って出る。そのことで、中国との貿易戦争に集中する。

 米国は金曜日に、カナダとメキシコとの間で鉄鋼とアルミに関する関税をなくすことで合意した。この1年間、この問題をめぐり、北米各国の間で摩擦の種となっていた。

 欧州と日本の自動車に関する関税をすぐに課すことがないよう、決断もした。ただ、海外の輸入車が米国の国家安全を脅かしているとの言辞は変えないでいる。トランプ氏はライトハイザー氏に指示をし、日本や欧州などの貿易パートナーと自動車の輸入について調整するよう、交渉を開始させる。交渉期限は6か月だという。

 金融市場は、中国との貿易戦争が激化し、それがカナダや日本などに波及するのではないかと恐れていた。

 水曜日の夜には、トランプ氏がファーウェイを輸出に関するブラックリストに載せることを発表し、米中間の緊張が一層高まった。米国の議会、特に共和党は、トランプ氏の保護主義的な動きの結果、経済が不安定になることに神経をとがらせている。

 カナダとメキシコとの鉄鋼に関する交渉は、議会がNAFTA見直しの結果を緩和するために、議会が長らく求めていたものだ。米国の関税撤廃と同時にカナダの報復関税の廃止は、日曜日に発効する。関税の代わりに数量規制を課されることもない。

 カナダとメキシコからはこの措置を歓迎する声が上がっている。

 https://www.ft.com/content/9aca49e0-78a3-11e9-be7d-6d846537acab

 トランプ氏は、イランとの戦争は回避できると述べた。

 トランプ氏は、米国はイランとの戦争には至らないだろう、と述べた。米国とイランとの間の紛争リスクについて懸念が高まっていることを和らげようという発言だ。

 記者団から「イランと戦争になるか」と問われ、答えたものだ。トランプ氏のタカ派的なアドバイザーらが、イランに強硬な姿勢を見せているが、トランプ氏自身は消極的のようだ。イランとしても米国と軍事的に対決することは避けたいとみられる。イランがなぜ米国に先制攻撃をすると考えるのか、わからない、と西側外交官の一人は述べた。

 ニューヨークタイムズの報道によると、トランプ氏はシャナハン国防長官と会い、イランと戦争に至ることを望まないと述べた、という。

 米国とイランは公式の外交関係を結んでいないが、スイスが米国の代理としてテヘランで動いているという。

 議会も、イランの動きが米国の脅威になっているという、情報機関の主張を精査するよう要求している。議会の民主党トップは、トランプ政権が言うように、イランの脅威は正当化しにくい、と述べた。上院でも、高まりつつある脅威とは具体的に何か、説明するよう要求している。

 https://www.ft.com/content/1e59341a-77fa-11e9-be7d-6d846537acab

 タイムズの記事はこちら。

 https://www.nytimes.com/2019/05/16/world/middleeast/iran-war-donald-trump.html

アマゾン、食事配達ベンチャーに出資

 快晴。

 アマゾンが英国の食事デリバリーのスタートアップ企業に出資した。「デリバロ―」という会社。出資額は5億7500万㌦だという。

 デリバロ―にとって、アマゾンは最大の出資者となり、アマゾンのような大企業がこのセクターへ関心を寄せていることが明らかになった。

 調達した資金により、ウーバーイーツなどに対抗する。

 米国ではドアダッシュという配送会社が資金調達を模索している。資金調達に際しての企業価値は130億ドル近くにのぼる。

 デリバル―も今回の資金調達に際し、35億ドルの企業価値と算出された。前回2017年9月の資金調達時には、およそ20億ドルと算出されており、その時と比べると、急激に上昇している。

 デリバロ―のバイクは、黒いタクシーや二階建てバスと同様、ロンドンの通りではほぼありふれた風景になっている。ほかの投資家にはTロウ・プライスやフィデリティなどがあるが、アマゾンがそのうちいくらを投資し、企業価値をいくらと算出したのかについては、開示していない。

 他の大手投資家は、たとえばソフトバンクがドアダッシュに投資している。

 アマゾンは2016年に英国でレストランのデリバリーサービスを始めた。しかし、昨年、そのサービスを閉じた。米国では同様のサービスを20都市で展開している。アマゾンの英国トップは、デリバロ―のようなビジネスに感銘を受けている、と述べている。

 しかし、課題は食事の配達ビジネスは大きな収益を生まないことだ。ドライバーを集めることはコストがかかる。そして、レストランの運営者は、配送会社に頼むコストが利益を圧迫しているという。

 https://www.wsj.com/articles/amazon-invests-in-u-k-food-delivery-startup-deliveroo-11558075768?mod=hp_lead_pos6

欧州議会総選挙

 晴れ。

 欧州議会の総選挙が行われる。中道右派にとって、政党は終わったのか。

 欧州の政治を支配している政治的同盟が形成されたのは、1998年3月の寒い夜のことだった。ドイツ西部のバンガローで夕食会が開かれた。コール首相を囲むテーブルに、首相やそれを裏で支えるフィクサーたちが集まった。

 これはEUの政治にとって運命的な夜であった。コール氏が夢見た欧州人民党はもがき苦しんでいるからだ。欧州の中道右派アイデンティティ危機に苦しんでいる。

 https://www.ft.com/content/dbebc290-7589-11e9-be7d-6d846537acab

進化か、それとも革命か

 ブランシャール氏とサマーズ氏。表題のような論考。

 1930年代の大恐慌や1970年代の高インフレによりマクロ経済学の思考は変化した。それは過去10年に起きた変化よりも大きいものだった。今後の政策は低い自然利子率と、財政政策の復活の組み合わせになる可能性が高い。そして、インフレ目標を達成することは難しくなり、低金利環境の結果、金融上にもたらす帰結が、マクロ経済政策の理解を大きく変えることになる。

 https://voxeu.org/article/evolution-or-revolution-afterword

デットサイクルの終わり

 曇り。

 マーチン・ウルフ。どのようにして長く続いたデットサイクルが終わるのかを論じている。それはインフレが燃え上がる形なのか、それともデフレの冷気が襲うのか。両方ありうるという。

 債務が高水準で積み上がり、金利が低い世界が終わる場合は、それはインフレが燃え上がる形で終わりを告げるだろう。また、別の予言をする人は、デフレで終わるという人もいる。

 ブリッジウォーターのレイ・ダリオ氏のように、その両方でもない、という楽観論もある。

 https://www.ft.com/content/f09cda30-7598-11e9-bbad-7c18c0ea0201

 アンガス・ディートン教授。アメリカの不平等はイギリスにとって教訓になるという。

 https://www.ft.com/content/4bb86682-756c-11e9-b0ec-7dff87b9a4a2