英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

モルガンスタンレーの魔法の力

 トランプ氏とポルノ女優との争いは、新展開を見せ始めている。ストーミー・ダニエルズ氏に金銭を支払ったことは、選挙運動の資金問題を突き付けている。
 トランプ大統領と彼の顧問弁護士、ジュリアーニ氏の新たなコメントが、選挙資金規制に抵触していたのではないかという疑念を突き付けている。トランプ氏らのコメントは、中枢にある法的な問題を変えるに至っていないというのだ。2016年10月にステファニー・クロフォード氏に支払われた13万㌦が、数週間後に迫っていた選挙に一次的に関連づけられているとみなせるからだ。そして、もしこのことが公になれば、トランプ氏の評判を傷つけるからだ。
 水曜日にジュリアーニ弁護士は、2016年の選挙の12日前に支払われたクロフォード氏への資金は、法律に何ら抵触していないと述べた。なぜなら、金を支払ったコーエン弁護士は、トランプ氏に対する通常の法的業務の一環であったし、トランプ氏がその費用をコーエン氏に弁償したからだ。
 https://www.wsj.com/articles/trump-and-giuliani-comments-about-stormy-daniels-heighten-questions-about-campaign-violations-1525376281
 モルガンスタンレーはどのようにしてその魔法の力を取り戻したのか。ジェームズ・ゴーマンCEOはトレーダーでもバンカーでもなく、一コンサルタントに過ぎないのに、ウォールストリートの新たなビジネススタイルを取り戻した。
 モルスタのボーナスが削減された。もし不満なら、会社を去れ、とゴーマンCEOは述べた。これに対し、2012年当時の合併スターバンカーの一人は不満を漏らしたという。
 それから6年が経過し、ゴーマンCEOのこの「いやなら去れ」戦略は、ウォールストリートの問題児を手堅いパフォーマーに変えた。2017年の利益は2014年のほぼ3倍に達した。モルスタの時価総額金融危機時に70億ドルだったが、現在は1000億ドルになる。ウォールストリートの王者であったゴールドマンサックスを追い抜き、紙の上ではナンバーワンである。
 金融危機後、すべての大手銀行が変化を迫られた。しかし、ゴーマン氏の率いるモルガンスタンレーほど過激ではなかっただろう。ゴーマン氏は2010年にCEOに就任し、ウォールストリートの未来を再生させた。十分利益を上げ、10年ほど前に会社を左右した過大な野望やエゴをなくしたうえでのことだ。
 ゴーマン氏はウォールストリートのCEOにありがちなバンカーやトレーダーあがりではない。マッキンゼーコンサルタントであった。ゴーマン氏はモルスタのプロップトレードをなくし、債券トレーディング取引を縮小させた。
 彼はウェルスマネジメントをより手堅い商売だとして、2倍の規模にした。スミスバーニーを買収し、モルスタを全米で最大のリテールブローカーにした。全米に600のオフィスと1万6000人のブローカーを展開し、他のグループを凌駕している。
 金融危機後の規制と市場の平穏は、ファイナンスの世界をより退屈なものに変えた。ウォールストリートの重鎮は、退屈なビジネスモデルに転換した。ゴールドマンは消費者金融を推し進め、シティグループは、かつての夢であったグローバルリテール銀行の目標から少しずつ撤退している。
 ゴーマン氏の路線を批判するものは、ゴーマン氏のせいでリスク許容度が低くなり、トレードがしにくくなったと不平を漏らす。ゴーマン氏は、愛されるリーダーというより、お高く留まった戦術家、というスタイルで、ウォールストリートで失われたものを象徴している。
 問題は、モルスタの回復がどこまで続くかだ。モルスタのROEは、投資家が要求する10%に何とか届く程度である。ウェルスマネジメントの顧客は高齢化している。手数料収入を急増させたブル市場は長く続きすぎている。ゴーマン氏はコストカットで利益を得ようとしている。
 ゴーマン氏は今後3年ないしは5年間はCEOの職にとどまり続けるだろう。
 ゴーマン氏はオフィスで静かにしていることを好む。アボリジニーの木製調度品に囲まれ、毎晩手書きでその日の各部門の収入を点検している。
 スミスバーニーのおかげで、モルスタのウェルスマネジメント部門は、全体の約半分の収入を計上している。顧客の資産は1・6兆ドルから2・4兆ドルに増えた。利益は6パーセントから26パーセントに増加している。
 一方、よりリスクのあるビジネスであるフィクスト・インカムトレードを25%削減した。こうした動きは、モルスタをギャンブラーから、顧客にとっての中間業者に仕立て上げた。
 https://www.wsj.com/articles/how-morgan-stanley-got-its-mojo-back-1525359327?cx_testId=16&cx_testVariant=cx&cx_artPos=1&cx_tag=collabctx&cx_navSource=newsReel#cxrecs_s