英字紙ウォッチング

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ウォールストリート、中国資産ビジネスに続々参入

 ウォールストリートの中国愛。米中の地政学的な対立が高まる一方、米国と欧州の投資会社は中国市場に競って参入しようとしている。

 バイデン政権がコロナウイルスの起源は武漢にあり、とレッテル張りをしようとしている中、米中両国の間で、全く別の発表が異なるストーリーのもと、行われた。ゴールドマンサックスが中国政府系の中国商工銀行と提携を結ぶと発表したのだ。この提携により、ゴールドマンは何十万人の顧客にアクセスできるようになる。

 米中対立の中、米国の金融会社は中国の金融資産に接近することができなかった。中国の金融資産は推計で昨年、18.9兆ドルとみられている。

 ゴールドマンだけでなく、ブラックロックも今月初め、中国建設銀行とウェルスマネジメント提携を結んだ。JPモルガンは中国商業銀行に投資する。欧州からはアムンディやシュローダーが参入を果たした。

 中国は今や、海外企業にその富裕層向けビジネスの門戸を開こうとしている。過去2年間は、非常に限定された金融システムのみ開放した。しかし、海外の専門知識を取り入れ、高齢化する人口危機を前に貯蓄インフラを整えようとしているのが狙いだ。

 だが、外交専門家の間には、こうしたウォールストリートの動きに苦言を呈する向きもある。米国の国家安全保障問題のジェイク・サリバン氏がフォーリンポリシー誌に投稿した論文がこの雰囲気を象徴している。

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