英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

アベノミクスの教訓

 晴れ。

 アベノミクス6つのレッスン。日本化と呼ばれる現象に世界はどのように立ち向かうか。

 3本の矢を掲げたアベノミクスだが、本当に日本経済を変えたのだろうか。本当にアベノミクスは成功したのか。

 単純な答えはノーだ。アベノミクスの中心的な目標は2%のインフレだった。コロナウイルス前であっても、日本は1%以上にすら近づいていない。これは明確に失敗だといえる。

 しかし、リーグ戦で勝利できなかったサッカーチームのように、敗北は直ちに十分でなかったことを意味しない。確かにアベノミクスはモーメントを作り出した。デフレと超低金利、スタグネーションからなる日本化という状態に対する大きな教訓をアベノミクスはもたらした。

 レッスンの一つは、金融政策はワークしたということだ。さらに、経済は弱弱しく、増税に耐えられなかった。3つ目の教訓は、信頼がすべてであるということだ。4つ目の教訓は期待だけには頼れないということ。黒田総裁は繰り返し、将来のインフレ率に関する公衆の期待を引き上げると説明した。しかし実際には、そうしたことは起きなかった。

 このことは先週、Fedが決定した平均インフレ目標政策についても妥当する。日本銀行は2016年以降、オーバーシュートコミットメント政策を採用したが、それほど効果があったわけではない。

 教訓の5つ目。財政刺激策は公的債務に対する問題を引き起こさなかった。最後に6つ目の教訓は成長戦略の限界だ。アベノミクスに対するもっとも厳しい批判は、彼が構造改革の約束を実行しなかったというものだ。

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