英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

バーナンキと日本

 サマーズ教授。トランプ予算はこっけいである、と。経済の見通しがあまりに楽観的であり、論理的にも誤りがあると手厳しい。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2017/05/trumps-budget-is-simply-ludicrous.html
 昨日日本で講演したバーナンキ氏。ブログも更新されている。日本の金融政策についての、いくつかの考察、と題した内容である。
 私は過去何年にもわたって、デフレと戦う日本の金融政策当局者のいくつかのチャレンジについて考察し、書いてきた。日本銀行はここ数年、多大な努力を見せてきたが、デフレは完全には消え去っていない。とくに、2パーセントの目標達成は困難である。
 私の過去のアドバイスを今になって考察してみると、もし今日銀がとっている政策の枠組みが不十分であるなら、何が他の選択肢としてありうるのか、考えてみた。
 私の結論のいくつかは次のようなものである。
 一つは、経済のパフォーマンスが良くても、日銀はインフレ目標を取り下げるべきではない。インフレと金利を高めに誘導しておくことは、将来の不況に対応する日銀の能力を高めることで、経済の安定性を増すことができる。
 もう一つは、黒田緩和は重要なベネフィットを生んだことだ。しかし、日本経済の特徴と過去の政策の遺産が相互作用を起こし、インフレ目標の達成を妨げている。目標が今後数年で達成できるかいかなは、一部は中央銀行のコントロールできる要素の外にある。
 もし現在の政策では不十分だと何が残されているのか。金融当局によるこれ以上の緩和余地は限定的であり、もしこれ以上の刺激が必要になると、財政と金融政策の協調がもっとも良い、という。
 https://www.brookings.edu/blog/ben-bernanke/2017/05/23/some-reflections-on-japanese-monetary-policy/
 これが昨日の講演録。フルバージョン。
 https://www.brookings.edu/wp-content/uploads/2017/05/es_20170523_bernanke_boj_remarks.pdf