英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ブレイナード理事の変心

 曇り。

 Fedのブレイナード理事が講演を行った。バランスシートの縮小について、5月にも縮小を開始し、そのペースも速めると述べた。インフレへの警戒感が急速に高まっている。利上げについても、より強い行動に出る可能性を示唆した。

 Fedのバランスシートのサイズは9兆ドルにのぼる。それを早ければ次の政策決定会合で縮小させる。

 ブレイナード理事は次の副議長候補である。火曜日に講演し、中央銀行のもっとも重要な任務は消費者物価の最近の上昇を穏やかなものにすることだと述べた。物価上昇は中低所得層に重荷になっているという認識である。

 さらに、経済指標の裏付けがあれば、Fedは金融引き締めのより力強いアクションをとると表明した。FFレート引き上げのペースを加速させたり、0.5%ポイントの利上げも視野に入る。

 ウォールストリートの予想では、こうした調整が2022年は少なくとも2回はあるとみている。中立金利のレベルは2.3%から2.5%の間にある。

 3月の会合の議事要旨によると、パウエル議長は引き締めのプロセスがどのように発生するのか、詳細を封じ込めようとしている。

 ブレイナード理事のこの日の講演は、かつてのボルカー議長を彷彿とさせた。ボルカ―氏はアグレッシブな姿勢で1970年代のインフレを沈めた。その代わりに痛みを伴うリセッションをもたらした。ボルカ―氏はかつて、勢いのついたインフレは経済成長にとって最大の脅威であり、究極的には雇用にとっても脅威となる、と警告した。

 ブレイナード氏も、インフレのもっとも大きなリスクは所得に制約のある家計への打撃を挙げた。大半の労働者にとって、物価の上昇は賃金の増加を台無しにしてしまうと述べた。

 ロシアによるウクライナ侵攻が物価上昇を加速するリスクも指摘した。ガソリン価格や食品価格の上昇である。

 https://www.ft.com/content/848a70fe-557b-40a0-949b-70acc6ac6905

 JPモルガンのダイモン氏はボラタイルな市場のリスクを指摘する。Fedの政策変更に伴う動きである。株主向けの年次書簡で、インフレは徐々に後退していくと予測した。

 ダイモン氏は、非常にボラタイルな市場が到来すると述べた。高金利時代の到来に備えが必要となる。

 Fedは先月、2018年以来となる利上げに踏み切った。同時に、Fedは今後も連続して利上げを続けていくことを表明した。40年ぶりのインフレに対処するためだ。

 JPモルガンのような銀行はより高い金利の恩恵を受ける。

 https://www.ft.com/content/25675232-811b-49b7-9d8c-5e1fe11c62bd