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Fed、利上げサイクルの終焉

 雨。

 FOMCが開かれた。パウウェル議長は今年の利上げはなさそうだ、というシグナルを送った。17人の委員のうち11人が、今年の利上げは必要ないと考えている。この数は12月時点より2人増えた。

 Fed幹部今年の利上げはなさそうであり、過去3年以上にわたって続いた連続利上げを近く終える考えを示した。理由は米国の経済成長ペースが鈍化しているからだ。

 水曜日のFOMCFed政策金利を2.25~2.5%のレンジで変えなかった。パウウェル議長は、政策金利は今後当面は変えないと示唆した。記者会見で議長は、「政策を変えるほど、雇用やインフレ率の見通しが変わるには幾分時間がかかるだろう」と述べた。

 FOMCや議長の発言を受けて、10年ものの米国債金利は低下した。

 Fedは同時に5月に4兆㌦ある資産の縮小ペースを緩めることを表明した。昨年後半にマーケットのボラティリティが高まって以降、Fed幹部らは12月に表明した利上げ見通しを反転させるシグナルを送ってきた。

 同時に公表された金利の見通しも方向転換を明確にするものだ。

 今回の見通しが示唆するのは、大半の委員が、利上げサイクルが終わったと考えていることだ。同時にパウウェル議長は、持続可能な形でインフレ率が上昇し続けるとは考えにくいと述べた。世界的にインフレ率に下方圧力がかかっており、マンデートである2%の目標が達成できると確信できないようだ。

 2015年以降、Fedは理論通りに利上げを進めてきた。失業率の低下が次第に物価上昇圧力を高めるという理屈だ。安定的な物価と整合的な失業率の水準も低下している。Fedが考えるその水準は水曜日に4.3%まで低下した。この下方修正が意味することは、経済はインフレを加速させることなしに、もっと多くの人々を雇用できるということだ。

 https://www.wsj.com/articles/fed-keeps-rates-unchanged-signals-no-more-increases-likely-this-year-11553104999?mod=hp_lead_pos1

 グローバルな株式マーケットは今年、過去20年間で最良のスタートを切ったが、国債市場の利回りは一段と低下している。

 水曜日の米国債は2.53%に沈んだ。この水準は2015年にFedが利上げを始めたときと、奇しくも同じ水準だ。

 米国債金利低下は、より安全な国債への需要が強いことと、世界経済がすぐに回復するとの見方への深い懐疑の組み合わせである。

 投資家は、この動きは金融危機以降、最初の利下げサイクルの始まりだと受け止めた。FedはUターンを迫られているのだ。

 https://www.ft.com/content/ed1c6460-4b41-11e9-8b7f-d49067e0f50d