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パウエル議長、再任される

 快晴。

 Fedのパウエル議長が再任された。2期目となる。ブレイナード理事は副議長に就く。インフレ高騰に対処することになる。

 バイデン大統領はパウエル現議長を再任した。高いインフレ率とちぐはぐな労働市場の回復という意味で米国経済は非常に微妙な時期を迎えており、継続性を選んだ格好だ。

 パウエル氏の対抗馬とみられていたラエル・ブレイナード氏がクラリダ氏の代わりに副議長に選ばれた。

 バイデン大統領はコロナ危機対応についてのパウエル氏の手腕をたたえた。

 ここ数カ月間、バイデン政権がどのようにFedを作り変えるのかについてさまざまな憶測が飛んでいた。それはサプライチェーンの破壊とインフレ圧力の高まりを受けて、金融政策をどのように微調整するかをめぐる議論に由来している。

 パウエル氏とブレイナード氏の両人ともインフレと戦うと誓っている。今月、Fedはテーパリングを開始した。しかし、直近のインフレ指標をみると、消費者物価指数は過去もっとも高いペースで上昇していることが示されている。その結果、Fedがこれまで慎重に進めてきた金融政策を放棄し、テーパリングのスピードを速める可能性が取りざたされている。

 バイデン大統領はFed理事の空席ポストについて、今回は埋めることはしなかった。その空席ポストには銀行規制担当の副議長も含まれる。ホワイトハウスによると、後任の人事は12月初めにも行われるとしている。

 パウエル氏は68歳になる。2017年のトランプ政権時代に議長に任命された。今回パウエル氏が続投となったのも、現在のように経済の見通しが不確実な中でトップを交代させることは、市場の不安定さを増す可能性があるせいだ。

 パウエル氏はコロナ危機に際し、市場の極端な混乱を防ぎ、米国経済の最悪期をうまく乗り切ったとして称賛を浴びている。

 共和党員であるパウエル氏の任命にこだわることで、バイデン氏は現職の規制対応について急進派からの批判を無視している。エリザベス・ウォレン議員はパウエル氏の再任に反対している。しかし、ウォレン氏は一方でブレイナード氏の起用には賛成するとしている。ウォレン氏は空席となっている銀行監督の副議長のポストに誰を充てるかが重要だと述べている。

 ブレイナード氏自身は資本や流動性の銀行規制について緩和することに反対の姿勢を示している。

 今回のバイデン氏による議長と副議長の指名は、上院の承認を得る必要がある。共和党からはバイデン氏の指名に賛成するとの声があがっている。

 今回のバイデン氏によるパウエル議長指名は、これまで伝統となってきた大統領1期目のFed議長の再任を崩さないことになった。

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