英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ロシア産原油を締め出せ

 マーチン・ウルフ。ロシア産のガス輸入を制限するときがやってきたと述べる。禁輸リストにロシア産ガスを加えることは、プーチン氏の政治生命をより困難なものにすると述べる。

 ブチャの残虐行為を受け、マクロン氏は新たな制裁と非常にはっきりした手段をとると明言した。欧州諸国が協力し、とくにドイツの協力が必要であると述べた。原油と石炭については話を進めることができるという。

 しかし、ロシア産の原油と石炭だけでは制裁として不十分だ。ロシア産ガスの禁輸も加えるべきである。

 米国のEIAによると、2021年にロシア産の天然ガス輸出の74%が欧州諸国に送られた。これはロシアが輸出によって得る収入の5パーセントに相当する。それゆえに、ロシア産のガス禁輸はロシアに痛みを与えることになる。

 このアイデアへの反対意見は、欧州のいくつかの国、中でもロシア産ガスに依存している国から起こる。特にロシア産依存度が高いのがドイツとイタリアだ。ドイツは例えば、エネルギー消費の3分の1をロシアに負っている。2020年にはガス消費の58%をロシアに負っていた。イタリアのそれは40パーセントだ。

 これらの国はガスに特に依存している。したがって、ロシア産ガスの禁輸はこうした国々に打撃を与えることになる。

 しかし、最近の経済調査によると、こうした懸念は理解できるものの、過剰反応である。ドイツのエコノミストは焦点はガスであると述べている。

 確かにロシア産ガスを禁輸すれば、その代替輸入先は簡単には見つからない。ロシア産ガスを禁輸すれば、3割のガス供給不足が生じる。そのほかの燃料源に代替する必要がある、これは短期的には1.4%のGDPを失わせる。

 https://www.ft.com/content/2a814b44-86a5-46f4-9386-eb3747760db5

 参考資料。

 https://voxeu.org/article/what-if-germany-cut-russian-energy