マネーマーケットファンドがマイナス金利に苦しんでいる。大量の現金が金融システムに流れ込み、4兆ドルに及ぶMMF産業のビジネスモデルが制約されているのだ。
米国の金融産業にとって重要な4兆ドルに及ぶ個人と企業の貯蓄が深刻な制約にさらされている。米国市場の金利がマイナス領域に入り込もうとしているためだ。
短期の国債に投資するMMFは、ここ数カ月で預金者の何百億ドルもの資金が流入している。しかし、プラスのリターンを生み出すリスクの低い資産が少なく、厳しい競争にさらされている。
その結果、いくつかの国債についてはマイナス領域に落ち込む可能性がある。Fedにとっても深刻な挑戦を受けていることになる。Fedとしては金利をプラス領域に保っておきたいからだ。
もし政府のMMFがゼロパーセントで投資を続けるなら、産業は破壊されてしまう、という警告がある。投資家の登録を締め切ったり、新たな資金の買い切りをやめてしまってもおかしくないという。
特に短期金利の低下はここ数週間激しい。というのも、大量の資金が金融システムに流れ込んでいるためだ。この資金の源はFedからやってきている。毎月1200億ドルの国債やエージェンシー債を購入している。財務省はバイデン政権の刺激策を3月以降、支えるために資金を供出している。
また同時に財務省は短期国債のストックを縮小させようとしている。国債の年限を長期化させるのが狙いだ。
こうした金利低下にも関わらず、政府MMFの資産規模は4兆ドルを優に超える規模になっている。5月26日には4兆ドルを突破した。その大半は銀行から流れ込んでいる。銀行はたまった預金の運用先に困っている。
Fedは行き場のない資金を運用先を提供しており、リバースレポプログラムの形でファシリティを設けている。
https://www.ft.com/content/0cff3e60-6591-493c-b85e-2d37d46f47a0
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