晴れ。
アメリカの超低失業率の帰結。アメリカの労働市場は未踏の領域に入りつつある。
投資家たちは、2010年以降続いている失業率の低下に慣れつつある。先月はついに3.5%の失業率を記録した。この水準は1969年以来の数字である。
さらに、雇用は毎月17万人のペースで増え続けている。ゴールドマンサックスの試算によると、労働力の増加にマッチするには、毎月10万人の雇用が創出されればよいという。
もし雇用創出が今のペースで続けば、失業率はさらに低下し、2020年末には3.3%になる可能性がある。この水準は朝鮮戦争以来の低水準である。
これは労働生産性の伸び以上に、GDPが伸び続けている結果である。その結果、需要不足による失業は2009年以降、6%ポイントも低下した。
第二に、自然失業率の低下も寄与している。失業率が自然失業率を下回って低下すると、過去の景気循環においては、賃金上昇の圧力が高まるシグナルとされていた。そして、それは高インフレにつながり、金融政策もより一層の引き締めが必要になる。これらはFedや金融市場にとって懸念材料になるだろう。
しかし、ここ数カ月をみると、パウウェル議長からこうした懸念はほぼ消え去ったようにみえる。低賃金労働者により高い賃金が支払われるようになるなど、歓迎すべき結果がもたらされるとして、こうした労働市場の引き締まりを歓迎しているようだ。
パウウェル議長の、このリスクバランスに関する重大な認識の転換は、いくつかの要素によってもたらされた。一つは消費者物価指数が低位にとどまっていること。
また、少数派に属する労働者が労働市場に帰ってきていることがある。
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