曇り。
米国株は大きく反発した。Fedのパウウェル議長のコメントに投資家が反応した格好だ。ダウ指数は600ポイントも上昇した。11月の下落分を取り戻した格好だ。
パウウェル発言は、Fedの積極的な利上げ姿勢に対する投資家の懸念を解消するものだった。
株式市場は当初ゆっくりと上昇し、パウウェル議長の発言が伝わると急伸した。
パウウェル議長は10月初めの発言を修正した。この時、政策金利は中立金利から遠い水準にある、と述べた。しかし、水曜日のニューヨークの講演で、Fedは経済指標次第で動き、金利は中立水準よりわずかに下回っている、と発言を修正した。
ただ、Fedは硬軟入り混じったメッセージを送ったとみる意見もある。
コンセンサス予想によると、来年の利上げ回数は3回とみる投資家が32%に減少している。
パウウェル議長の講演について。あらかじめ決めた通りに利上げをするのでなく、経済指標を注意深くみていくと述べた。
10月の講演では、投資家に、金利上昇はしばらく続くと思わせるような発言をパウウェル議長は発した。しかし、水曜日の講演は、利上げをストップするか、よりゆっくり動くと聴衆に思わせるような内容だった。
Fedが考える中立金利は2・5~3・5%の間で揺れ動いている。現在、FFレートは2~2・25%の水準で、確かにこの水準を下回っている。
水曜日には、Fedの決定に影響を与えるような足もとの経済見通しの変化について議論しなかった。具体的には住宅販売の追い込みや株式市場の変動、原油価格の低迷などについてだ。
来週、議長は議会証言に臨む予定である。
もし予想通りに12月、FF金利を2・25から2・5%の間に引き上げたなら、中立金利の下限とみられる2・5%に到達することになる。しかし、中立金利の上限には、あと4回分の利上げののりしろしか残されていない。