英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

戸惑うFRB

 今日は雨。残念である。
 8月の雇用統計。新規雇用者数は15・6万人と堅調だったが、賃金上昇の勢いは鈍く、FRBにとって戸惑いが続いている。今後数ヶ月間に及ぶFRBの金融政策決定を複雑なものにしている。
 6月と7月の数字を若干下方修正され、経済はこの夏、毎月18万人の増加ペースで雇用を増やしている。
 失業率は4・4%。賃金は1年前と比べて2・5%上昇した。
 「経済はうまくいっているが、必ずしも離陸しているほどではない」とあるエコノミストは評価する。
 米国経済はこの第2四半期に年率で3%の成長を記録した。しかし、多くのエコノミストFRBは、年間を通しては2%超の成長であると見込んでいる。2005年以降、経済成長率は3%を上回ったことはない。
 先月、鉱工業生産は過去6年間で最高の数字となった。製造業や建設業の雇用も先月は増加した。今年、設備投資が加速していることと符号している。
 8月の雇用統計では、サービス部門の雇用が減速した。これまで今年の雇用を牽引していた部門だ。減速はレストランの仕事やヘルスケア、短期雇用が減速している。
 8月の数字によってFRBが即座に計画を変えることはないだろう。今月19日、20日FOMCで4・5兆ドルのポートフォリオを縮小すると見込まれるからだ。
 しかし、今回の雇用統計によって、賃金やインフレ圧力が弱いことにどのように対応すべきなのか、FRB内部での議論が交わされることが予想させる。
 今のところ、6月の利上げに続き、12月の利上げが予想されている。伏兵は物価圧力が弱いことで、2パーセントの目標には距離があるからだ。物価上昇が弱いのは一時的要因であると、イエレン議長らは解釈している。
 とくに25歳から54歳までの雇用者数が減少し、追加利上げを求めるタカ派ではなく、経済が過熱する前にまだ労働市場に改善余地があると考えるハト派に軍配があがりそうだ。
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