英字紙ウォッチング

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急騰する米国債利回り

 米国債の利回りが急騰している。米国政府が国債発行を増やそうとしているからだ。英国ポンドはドルに対して安値を更新した。

 米国債の利回りが9か月ぶりの高値を更新した。今後数か月間、債券発行が増えるとの政府発表を受け、利回りは上昇が続いている。

 10年ものの米国債利回りは0.11%ポイント上昇し、4.19%をつけた。水曜日に米国政府が米国債の発行額を増やすと発表した後、利回りの上昇が拡大している。民間部門の賃金上昇が力強いとの数字も後押しした。加えて、フィッチによる格下げも利回り上昇を後押ししている。 

 米国財務省は、長期の国債をこの四半期に増発するという。税収と歳出の差を埋めるためだ。この説明を受けて、10年国債と30年国債の利回りが急騰した。

 水曜日には民間賃金統計が予想よりも強い数字となって発表され、利回りを押し上げる一因となった。民間賃金統計を見る限り、米国経済はソフトランディングを達成できそうに見える。その結果、金利や借り入れコストがすぐに下がる可能性が低下するからだ。

 金曜日には7月の雇用統計も発表される。投資家は木曜日に長めの国債を売っている。国債にかかる圧力の高まりを受け、ヘッジファンドマネージャーのビル・アックマン氏は「30年の米国債をショートしている」と述べた。大規模な赤字が予想され、この規模の国債の供給を金利上昇なしに吸収できるとは思えない、と旧Twitterで述べたからだ。

 こうした動きを受け、米国株はわずかながら下落して引けた。

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