英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

予想以上の雇用統計

 曇り。

 米国の雇用統計。11月の雇用は予想を上回る水準だった。Fedの金融引き締め姿勢にも関わらず、新規労働者に対する需要は依然として強いことが判明した。

 https://www.ft.com/content/85a619b7-105a-44a6-88cf-ac6f89f8d47e

 WSJ。11月の雇用統計は米国経済は26.3万人の新規雇用を増やした結果となった。失業率は3.7%のまま。労働市場の力強さを見せつけた。過去3か月間の平均は28.2万人だった。今年前半、雇用の成長力は鈍り、2019年のコロナ前のペースを軽く超える水準が続いている。大手企業のいくつかがこのところレイオフを発表しているのにも関わらず、だ。

 失業率は3.7%のままで11月はとどまっている。これは歴史的には非常に低く、賃金を押し上げる要因になる。平均時給は前年同月比で5.1%伸びた。コロナ前は3%程度の伸びだった。

 予想よりも強い雇用統計の数字をみて株価は下落した。ただ、終値近辺では値を戻した。10年国債の利回りは低下した。低い失業率と賃金の上昇は消費支出を押し上げる要因になりうる。消費は経済のメインエンジンであるが、40年ぶりの高水準に達しているインフレにさらに点火材料を与えることになる。

 雇用統計を受け、Fedは今月、0.5%の利上げを選択することになりそうだ。0.5%の利上げにより、FFレートは4.25~4.5%の幅になる。そして、来年前半にFFレートが5%を超えるリスクが高まっている。

 金曜日に修正された賃金指標はFed幹部の関心を集めそうだ。Fed幹部はここ数カ月、賃金上昇の加速を指摘していたからだ。小売りを含め、全産業において、11月は10月と比べて平均時給が伸びている。

 大きな問題の1つは、この労働市場の力強さがどこまで続くかだ。11月の賃金はレジャー部門やホスピタリティ部門、ヘルスケアや政府部門で伸びた。しかし、亀裂も生じている。テクノロジーやエンタメ、不動産などは労働者を減らしている。これが経済見通しを神経質にしている。小売りや物流などもホリデーシーズンに雇用を減らしている。消費者の支出がレストランなどの消費や商品からシフトしているからだ。

 エコノミストらは、これ以上の利上げがレイオフの動きを広め、来年にはリセッションに陥る可能性があるとみる。

 https://www.wsj.com/articles/november-jobs-report-unemployment-rate-economy-growth-2022-11669944597