曇り。
米国債のイールドカーブはスティープ化した。30年債の人気は下落した。
トレーダーらはFedの政策シフトをにらんでおり、政府支出の増加を織り込んでいる。
長期の米国債が投資家の人気を失っている。その結果、長期債の利回りが3月以来の水準に上昇した。ここ数日間、30年債の利回りは上昇している。上昇幅は短期債よりも急で、過去3年のうちでもっともイールドカーブがスティープ化している。
トレーダーらによると、この動きはいくつかの要素が絡み合っているという。経済見通しが安定化しつつあることと、Fedが短期国債の利回りを低く保ち続ける一方、長期債の市場への介入は消極的になりつつあることだ。
5年債と30年債の利回り差を示したグラフによると、その差は118ベーシス近くに達した。これは2017年以来の水準だ。
これは何よりもFedの政策や財務省の国債供給といった技術的要因によるものだろう。金利差については、たとえば3カ月もの国債と10年国債の利回り差は53ベーシスと安定している。昨年はこの差がマイナスとなった。いわゆる逆イールドというやつだ。
これら30年債の動きと異なる動きは、来週行われるFOMCを前にした動きともいえる。Fed高官の最近の発言を聞くと、国際買い入れ額を拡大する必要性を感じていないようだ。しかし、市場参加者の間では、Fedは次にどう動くべきかについて議論がなされている。
一つのアイデアはイールドカーブコントロールだ。第2次世界大戦時に、この政策は米国で採用された。ゴールドマンサックスのアナリストは、Fedが採用する場合は短期金利を固定し、長期を自由にしてイールドカーブをスティープ化させる戦略をとるだろう、と述べた。
先月、財務省は予想よりも多くの長期国債を売り出すと発表して投資家を驚かせた。投資家のよりリスクのあるアセットへの投資意欲は強く、経済減速のサインは安定化しつつある。
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