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Fedの利上げ局面は終わったのか

 FOMCが開かれた。事前の予想通り、0.25%ポイントの利上げを決めたが、次の6月会合では利上げ停止の可能性があることを示唆した。

 直近で緊張感を増している銀行危機が経済活動の重しになる可能性があると認めている。

 Fedは5月2日~3日のFOMCで0.25%の利上げを決めた。1年以上にわたって10回連続で利上げを決めてきたが、積極的な引き締めキャンペーンは終わる可能性があるとのシグナルも発した。

 今回のFOMCの決定は全会一致の決定となった。FFレートを5~5.25%の幅とする。これは2007年半ば以来の高い水準である。

 2日間にわたる議論の後に公表された声明文によると、3月に出したガイダンスを外した。それはインフレをコントロールするために「追加の引き締めが適切である」との文言である。

 水曜日のFOMCでは、利上げを検討の対象に入れるが、それはさらなる利上げが適切であるかどうかの程度次第である、とした。さらに将来の経済指標によって決めると述べた。

 焦点は会合後のパウエル議長による記者会見である。表現の変化は意味があると述べた。そして、昨今の銀行部門の混乱の結果、家計や企業にとって信用状況がさらに悪化する結果になるかもしれないと述べた。そして、それが経済活動や労働市場に影響する可能性にも言及した。

 2年国債の利回りは過去1か月間で最低水準まで下落した。2年もの国債の利回りは金利の先行指標的な役割を果たしている。投資家は利上げ局面が最終盤に達したと判断しているとみられる。

 インベストのストラテジストによると、何らかのデータがない限り、Fedは利上げを続けないだろうという証拠がはっきりした、という。

 3月の段階で大半の委員は、ピークのFFレートは5.1%であると見通した。今回のFOMCにおいて、インフレは高止まりしたままだが、信用条件が厳しくなり、経済活動の重しとなる可能性が指摘された。

 パウエル議長は銀行不安による信用収縮とインフレ高止まりの中で、難しいかじ取りを迫られている。パウエル議長は、銀行危機が起きないという前提で利上げをこれほど高くとどめておくことはない、と述べた。

 また、現状の5~5.25%のFFレートの水準がインフレ抑制に十分かを聞かれ、政策はタイトである、と回答した。

 https://www.ft.com/content/1cf3225c-f3cf-46c1-aaa6-44501f7f5617