ファーストリパブリック銀行を買収したJPモルガン。CEOのダイモン氏はどこに商機を見出したのだろうか。
全米で過去2番目に大きい銀行破綻は、JPモルガンのジェイミー・ダイモン氏にめったにないチャンスをもたらした。同行が今まで同業のライバルに劣後していたウェルスマネジメントの分野で挽回する機会である。
富裕層向けの投資やリテール、プライベートバンキングで優位な地位を築き上げているJPモルガンだが、より小規模富裕層に対するビジネスでは劣後していた。
ファーストリパブリック銀行の買収に際し、JPモルガンは数百億ドルの預金だけでなく、銀行にウェルスマネジメントサービスを依頼している顧客も引き継ぐと述べた。これはモルガンスタンレーやバンクオブアメリカとの差を縮小することになる決定である。
平時であれば、JPモルガンはライバル銀行を買収することはできない。というのも、すでに全米の預金の10%のシェアを持っているからだ。今回の買収で成績優秀なフィナンシャルアドバイザーにとどまるように説得する必要がある。
ファーストリパブリック銀行には229人の金融アドバイザーが在籍しており、80の支店もあって、これをJPモルガンの支店に衣替えする。
これを担う2人の役員は、リーダーとしての資質を磨くよい機会となる。ダイモン氏は2005年からCEOを務めており、ダイモン氏の後継者の2人でもある。
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