Fedの物価見通しが狂い始めている。1月のインフレ率は想定以上に強いものだった。3月のFOMCで0.5%の利上げに踏み切るとの見方が市場で強まっている。
Fedが好むインフレ指標が予想以上に強いものだった。投資家はより高い利上げと長期間の高金利を予想し、株価は下落した。
PCEインデックスが公表され、前月比で0.6%上昇した。12月のそれは0.2%上昇だった。年率の上昇率は5.4%となった。
エネルギーと食品を除いたいわゆるコアPCE指数は、0.6%の上昇となった。年率で4.7%となり、エコノミストが事前に予想していた4.3%との予想を裏切る形となった。
最近は雇用統計に始まり、小売り売上高や物価も経済が過熱していることを裏付けている。その結果、米国の金利見通しがより高くなり、かつ高い状態が長く続くことを予想する向きが増えている。
金曜日に数字が公表された後、3月のFOMCにおいて0.5%の利上げを予想する投資家の割合は39%に増えた。1週間前のそれはわずかに18%に過ぎなかった。
クリーブランド連銀のメスター総裁は金曜日、インフレを2%目標に抑え込むため、政策金利をより高くすべきだと主張した。労働市場が依然として力強いいま、引き締め過ぎのコストよりも緩和のコストのほうが上回っていると述べた。メスター総裁は0.5%利上げの支持者である。
インフレ期待が修正されたことに伴い、金曜日の株価も下げ圧力にさらされた。S&P指数は1.1%下落。
今回の物価指標はFedによる物価安定がなかなか難しいことを見せつけた。
債券価格は下落し、金利は上昇した。10年国債利回りは3.95%をつけた。2年債の利回りも上昇し、4.81%となっている。これは2007年以来の高い水準である。
https://www.ft.com/content/87593f86-501d-4e28-ac1f-bb72127bcc7f