曇り。
ウォールストリートの大手銀行は、コロナ危機による企業の資金調達の動きを受け、記録的な手数料収入をあげている。今年上半期の手数料収入は570億ドルにのぼる。
投資銀行の手数料は記録的な水準になっている。それは自動車メーカーのフォードから、クルーズ船運航のカーニバル、ボーイングまで幅広い企業が多額の資金を調達しているためだ。
債券資本市場のバンカーらは、特に米国のFedが信用市場を活気づける行動に出た後に忙しくなった。企業だけでなく、国家による資金調達や他の組織も資金調達に走り、7.8兆ドルもの債券やローンによって資金を調達した。
この債券手数料ブームは、M&Aのアドバイザリー手数料の落ち込みと相殺される格好となった。モルガン・スタンレーのゴーマンCEOは、M&Aは基本的に死んでおり、今年後半もそうであると述べた。しかし、それは循環的な動きである、とも発言している。
投資銀行トータルでの手数料収入は2019年の上期と比べて9%ほど上向いている。大手投資銀行の中で、リードしているのはJPモルガンだ。米国のトップ5銀行はいずれも資金調達ブームの恩恵を受けている。
GSのソロモンCEOは、先週行われたカンファレンスで、資本調達の加速によって同行は利益を得ていると述べた。問題はこの動きが今後半年間、あるいは1年間続くかどうかだ、ソロモンCEOは先行きのことは多くの不確定なものがあり、はっきりしたことは言えない、と述べた。
最大の手数料収入を得る案件となったのは、Tモバイルによるスプリント買収に伴う190億ドルの借り入れだ。
株式発行による収入も増えている。
https://www.ft.com/content/84ee3b24-c7f0-44ba-aeba-5ac9c57f810a