晴れ。
シリコンバレーバンクが経営破綻した。FDICが資産負債を承継する。テクノロジー系のスタートアップ企業のいくつかは資金引き出しを急いでいる。
全米で過去2番目に大きな銀行破綻が金曜日に発生した。預金引き出しが起き、テック企業への貸し出しに特化していた銀行は資本調達を計画していたが、経営破綻した。
FDICは同銀行を支配すると発表した。同銀行のすべての預金は新たな承継銀行に移される。
預金保険の対象となる預金の預金者は月曜日の朝以降、資金引き出しが可能になる。預保対象を超える金額はすぐに引き出すことができなさそうだ。
SVBは預金規模で全米で16番目。およそ2090億ドルの資産を昨年12月末時点で持っていた。銀行の経営破綻は2008年にワシントンミューチュアル銀行が経営破綻して以来のことである。
SVBの親会社であるSVBフィナンシャルグループは身売り先を探している。金曜日には22.5億ドルの資本調達計画を立てていた。しかし、規制当局はこうした動きを待つことがなかった。
同銀行の顧客は、木曜日だけで420億ドルの預金を引き出そうと試みた。この預金引き出しの洪水は同銀行の財務を棄損した。キャッシュバランスは10億ドルのマイナスとなり、Fedの支払いを行うことができなくなった。水曜日時点で同銀行の財務は健全であったが、わずか1日でインソルベント、つまり不健全な財務状態に転落した。
SVBの破綻は産業界全体に広い波のように広がりそうだ。投資家は銀行株を大小さまざまな形で売却した。大手4大銀行の時価総額だけで、520億ドルが吹っ飛んだ。金曜日には株価は戻したものの、小規模銀行は引き続き時価総額が低い状態が続いている。
投資家はSVBと同じような性格の銀行に疑心暗鬼になっている。サンフランシスコに拠点を置くファーストリパブリック銀行は水曜日に株価が3割も下がった。金曜日になり、同銀行は「当社の預金基盤は強い」との声明を出すに至った。
パックウェストバンコープも同様の衝撃に見舞われている。
SVBの資金は主にスタートアップ企業のエコシステムに注ぎ込まれてきた。テック産業のブームに伴い、同行の預金は膨らんだ。そして、集めた預金を米国債や政府保証のついた債券に投じた。
しかし、Fedが利上げを昨年から始め、テック企業の業績が陰りを見せ始めた。その結果、スタートアップ企業はSVBが想定するよりも早いスピードで預金を引き揚げ始めた。新しい投資がストップし、新たな資金が銀行に預金の形で流れ込むこともなくなるという悪循環が生じた。
一方、Fedの利上げはSVBの保有する国債の価値を大きく棄損した。銀行としては資本調達が必要になったのだ。
SVBはゴールドマンサックスを相対での資本調達のために雇った。ムーディーズは格下げの意向を伝えた。銀行は格下げを恐れたという。
FTより。
https://www.ft.com/content/6943e05b-6b0d-4f67-9a35-9664fb456504