快晴。
シリアの新しい政治指導者に、誰もが会いたいと思っている。しかし、ダマスカスにおける外交的な会合に対する混乱が面会を妨げている。
その首に1000万ドルの報奨金がかけられている男にとって、その週は非常に社会的な1週間だった。アーメド・アル・シャラーとダマスカスで話し合いの機会を持とうと、外交官らが殺到したのだ。彼の率いるイスラム主義グループ、いわゆるHTSは、米英や欧州諸国からテログループとみなされ、ブラックリスト入りしていた。
しかし、国連とピーダーセン特使と面会するのに、このブラックリストの存在は妨げにはならなかった。
10年以上に及ぶ内戦を経て、シリアは孤立から抜け出そうとしている。しかし、今週の会合はこの先の挑戦を示唆していた。外国勢力の懐疑的な見方、不確実な政治、北東部における紛争状態の悪化などである。
HTSに率いられた暫定政府は3月までシリアを暫定統治することになっている。新政権にとって最優先事項の1つは、アサド政権下で課された制裁を解除すべく、西側諸国を説得することである。
米国はシリアのエネルギーおよび建設部門に向けて、広範囲な規制をかけている。しかし、両部門ともにシリア復興にとって死活的に重要な産業分野である。
バイデン大統領にあてた書簡の中で、米国の制裁法案を起草した議員らは、大統領に対してより素早く制裁を除去すべきだと述べている。アサド政権の崩壊はシリア復興にとって転換点であるというのだ。しかし、それ以外の議会議員らは状況待ちの姿勢である。
欧州政府はシリアのHTS政権が包括的な政権を作るまで、待ちの姿勢である。
シャラー氏はここ数日間、少数グループとの面会を続けている。これはポストアサド政権において、こうした少数勢力にも一定の役割を与えるとの示唆かもしれない。
2015年に、国連安全保障委員会においてシリア復興のロードマップが作成されたことがある。しかし、シャラー氏がピーダーセン氏と会った翌日、HTS指導者はこの計画を再考する時期であると述べた。いくつかの点においてシャラー氏の言うことは一理ある。国連計画はアサド氏と反対勢力との対話を求めており、これは今や意味をなさない。いま問題なのは、HTSがシリア独裁勢力になるのか否かである。
外国勢力との対話に至っては、簡単とは到底言えない。シャラー氏はイスラエルに対し、数百もの空爆を行い、南部シリアを占領していると非難している。北部シリアではトルコが軍隊を展開している。北東部シリアの大半を支配しているクルド族主導の軍隊に対し、大規模な攻撃も計画されている。トルコはクルド勢力をテロリストグループだとしている。
こうした脅しはエルドアン大統領にとって最初の話ではない。しかし、今回、エルドアン大統領は真剣かもしれない。アサド政権の崩壊により、クルド軍は脆弱になっているからだ。
https://www.economist.com/middle-east-and-africa/2024/12/19/everyone-wants-to-meet-syrias-new-rulers
今日のニュースレターは、プーチン氏がアゼルバイジャンの航空機撃墜について謝罪をしたことである。今回の事故においてプーチン氏が初めて公式コメントを出した。アゼルバイジャンのカウンターパートに対し、ロシア軍がウクライナのドローン攻撃に対し、対航空ミサイルを発射したことを認めた。ただし、撃墜の責任は認めていない。今回の事故で38人が亡くなっている。
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アフガニスタンのタリバン勢力がパキスタンとの国境で激しい攻撃を仕掛け、パキスタン側に19人の死者が出た。この攻撃はパキスタンによる今週の空爆に対する報復である。両国の間の緊張が高まっている。