ECBの政策について、リトアニアの中央銀行総裁は、ドラギ総裁の最近の警告をまねて繰り返した。2019年10月までは利上げに関する議論はないとメッセージを送った。
ユーロ圏の19か国からなる経済は減速しており、原油価格の高騰や貿易戦争につながりかねない緊張の高まりなど、脅威に直面しており、ECBは辛抱強い姿勢を求められている。
彼のコメントはあくまで、2019年秋にのみ、利上げの「議論」を行うだろう、というものだ。すなわち、実際に利上げに踏み切るのは、早くても来年末、ということを意味する。すでに利上げを続けている米国との金利差はますます広がる。
今年、輸出に焦点があたっているユーロ圏経済は急減速している。とくに半分を占める米国向けが顕著である。ユーロ圏のGDPの3割を占めるドイツでは、企業のセンチメントが6か月連続で低下している。貿易戦争に対する関心が高まっている。
6月14日にラトビアのリガで開催されたECB理事会で、債券買取プログラムの手じまい計画が明らかになった。しかし、利上げは来年秋まで棚上げとなった。政策金利はマイナス0・4パーセントのまま、2年以上も続けられることになる。
https://www.wsj.com/articles/ecb-could-discuss-raising-rates-from-autumn-next-year-top-policy-maker-says-1529916406