晴れ。
ECBについて。中央銀行は政策をどのように展開していくべきか、苦闘を続けている。
ユーロ圏における経済の減速は、ECBの政策担当者に驚きを与えた。少しずつ短期金利を引き上げていくという彼らの計画を潜在的にダメにしてしまうリスクがあるからだ。
この変化は、中央銀行が直面している困難さを象徴している。成長率と政策決定の関係が世界金融危機以前とは大きく変化しているからだ。
6月時点において、ECBは2018年12月までに債券買取プログラムを終わらせる予定であると考えられていた。そして、2019年に利上げに入るとみられていた。しかし現在のところ、マイナス0・4%の政策金利は継続している。
2011年以降で最初の利上げに対する期待があまりに広まったので、政策担当者は2019年夏までは利上げに動かないと約束する声明文を公表せざるを得なかった。それ以降、ユーロ圏経済はECBが想定するよりも弱いのであるという指標がはっきりしてきた。ECBのエコノミストらは成長見通しを下方修正した。
今や、ECBは来年まで何もできないのではないかと、投資家たちの多くは予想している。その予想の中には、19か国からなるユーロ圏経済が沈めば、中央銀行として何ができるのか、検討を始めるエコノミストもある。しかし、中央銀行にできることは限られている。
ECBのこうした見通しは中央銀行界におけるグローバルな変化を映し出している。Fedも利上げのペースについて忍耐強くなろうとしている。
ユーロ圏経済は過去10年間でみると、2017年がもっとも好調だった。2017年の成長率は2.4%。2018年は1.9%となり、今年は1.6%への減速が見込まれている。ドイツはリセッションの淵に立っている。自動車を中心に輸出が変調だからだ。
しかし、欧州経済の見通しが明るくなる可能性がないわけではない。たとえば、米中の貿易交渉がうまくいき、成長が復活するシナリオ。ブレグジットも軟着陸するかもしれない。
ECBのコアインフレ率は12月に1パーセントだった。