英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

Fedへの幻滅

 イエレン講演を前にして。Fedの過ちが何年も続いたことで、経済やワシントンの政界に、幻滅をもたらしている。Hilsenrath記者。今回の危機を予見できず、その後の後始末にも苦労していることによって、ポピュリズムの台頭とFedへの不信感を募らせることになっていると説いている。
 長い記事である。
 過去10年間、Fedの幹部は金融システムに大きな傷を与えた住宅バブルや予見することに失敗した長引く低成長と低インフレにまごつかされてきた。その反応として、人気のない金融救済を設計し、債券買取を発動させ、利上げを送らせてきた。
 金融市場や経済は我々Fedが考えるほど安定的ではなかった、という反省が幹部の中にある。
 グレートモデレーションと呼ばれた1990年代、Fedは悪いことはできないとみなされていた。政治家や有権者は、Fedは機械のようなもので、ボタンを押せば、経済を熱したり、冷ましたりできると考えていた。しかし今や、失望が10年も続き、中央銀行は公衆の懐疑主義にさらされている。トランプ氏やサンダース氏の登場は、こうしたFedに対する不信を象徴している。
 Fedに対する疑念は、1990年代以降の通常の経済に対する知識が崩壊するケーススタディだと言える。
 http://www.wsj.com/articles/years-of-fed-missteps-fueled-disillusion-with-the-economy-and-washington-1472136026