英字紙ウォッチング

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「低金利時代」の終焉

 曇り。

 世界の債券利回りが上昇し、投資家にとっては波乱の時期がやってきた。

 債券利回りがここ数週間、急騰している。しかも、あまりに急速なので多くの市場参加者は低金利の時代が終わったと感じている。8月初旬以降、米国の10年国債利回りは4%を超えて取引されている。2008年以降はみられなかった水準である。

 10月3日には16年ぶりの4.8%を記録した。そして、この動きは世界中に広がっている。欧州では債務が重いイタリアで財政危機をもたらしかねない。そして、日本では岩盤の底に張り付いたような金利が少し上昇し始めている。

 何が起きているのだろうか。米国を手始めにみると、金融的なメカニズムが働いているようだ。国債保有する投資家は金融市場に貸し出しをする選択肢を持っている。その短期金利がまず上昇している。

 より長い期間の債券利回りは、2つの要素で決められる。1つはFedの金融政策予想。もう一つはタームプレミアムである。この両方が債券利回りを押し上げている。

 この春、米国で銀行危機が起きた後、投資家はリセッションを恐れ、Fedが利下げに踏み切るとみた。しかし、混乱が収束すると、こうした懸念は収束し、経済成長の見通しも上振れした。市場はFedの考え方に同調し、金利はより高く、より長く維持されるとみている。

 インフレについては比較的安定すると投資家はみており、実質金利は高止まりしていた。しかし、ここ数週間、風景は一変した。

 最後に、日本銀行はアウトライヤーである。国債金利は0.8%に到達し、臨時オペを通知した。10月3日には為替介入をしたのではないかとのうわさが駆け巡った。

 https://www.economist.com/finance-and-economics/2023/10/04/a-surge-in-global-bond-yields-threatens-trouble