英字紙ウォッチング

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ジャクソンホール講演

 晴れ。

 WSJのTimiraos記者。さらなる利上げは注意深く進める、とパウエル議長が述べたと報じている。FTと見出しのトーンは異なる。

 Fedのパウエル議長は政策金利を当面堅持すると述べた。しかし、利上げのドアは開けておくという。物価圧力を抑制しつつ、深刻な経済低迷を避けようと、パウエル議長がいかに針の孔を通すような努力を続けているかを示す会合となった。

 https://www.wsj.com/economy/central-banking/powell-says-fed-will-proceed-carefully-on-any-further-rate-rises-31b6fc6a?mod=hp_lead_pos1

 ジャクソンホール会合。パウエル議長はインフレは高すぎる、と警告した。パウエル氏は、物価圧力が弱まるまで、引き締め政策を続けるつもりであると述べた。

 ジェイ・パウエル議長はインフレはあまりに高すぎるとして、さらなる利上げの可能性を示唆した。金曜日、パウエル議長は注目のスピーチに臨んだ。時折タカ派的な調子をにおわせ、中央銀行としてはインフレを2%の目標に下げるために制限的な政策を続ける準備があると述べた。

 パウエル議長いわく、「インフレはピークを過ぎているが、水準はまだ高い」と述べた。そして、「われわれは、もし適切であるならさらなる利上げをする用意があり、インフレを物価目標に到達するまで持続的に引き下げるため、引き締め政策を続けるつもりである」と追加した。

 しかし、その引き締めは注意深く行う、と述べることも忘れなかった。

 米国の総合インフレ率は7月に3.2%だった。ピーク時には9.1%をつけたが、6月の3%と比べ、ほぼ横ばいとなっている。パウエル議長は、Fedとしては金融引き締めが小さすぎ、インフレが長引くリスクだけでなく、金利を引き上げすぎるリスクにも注目していると述べた。やりすぎることは経済に不必要な害を与える、と述べた。

 パウエル氏の発言を受け、インフレ期待に敏感な2年物の米国債利回りは0.05%ポイント上昇し、5.07%をつけた。10年もの国債利回りは0.01%ポイント上昇した。

 一方、株価は上昇と下落の間を大きくいったりきたりした。

 3月以降、Fed政策金利をゼロ近傍から5%超まで引き上げた。こうした利上げは経済成長や労働市場、インフレにとって制限的である。

 パウエル氏いわく、過去の利上げの効果は完全には実現していないという。どちらかというと、インフレの上振れリスクに焦点を当てているようだ。彼が注意を喚起しているのは、継続的な成長がインフレを押し下げる可能性を麻痺させることだ。

 Fedは今後数か月間、困難な任務に直面している。まず、22年ぶりの高水準に達している政策金利をさらに引き上げるのかどうか。次に、この状態をどこまで続けるのか。9月会合で0.25%ポイント引き上げるのか。10月以降の利上げを見込む声が強く、今後数回のFOMCが焦点になる。

 もし12月までにコアインフレ率が3.5%近辺にとどまり続けるのなら、もう1回の利上げの引き金を引く可能性がある、という。コアPCEインフレは6月は4.1%だった。

 https://www.ft.com/content/a1506faf-ced9-4be7-b2f7-2f4c12375786