英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

プーチン氏の愚か者たち

 晴れ。

 プーチン氏にとって使い勝手の良い「愚か者」たち。

 あまりに多くの欧州の政治家たちがロシアと直接向かい合うことに失敗してきた。5月初め、ロシアのドイツ大使は第2次大戦時のソ連の勝利を祝うパーティを開いた。大使館におけるゲストらの中には、高官らが含まれていた。

 共産主義東ドイツの最後の高官だったクレンツ氏も含まれる。現在86歳の氏は、シュレーダー元首相とともにシャンデリアのもとで歓談した。AfD共同党首も姿を見せた。

 しかしこの会合はドイツメディアの注目をほとんど集めなかった。17か月に及ぶロシア侵攻により、世論はロシアを侵略者とみなしている。そして、ウクライナは保護に値すべき対象であるとみなされている。

 シュレーダー元首相が典型である。シュレーダー氏はロシアとドイツを結ぶノルドストリームパイプラインを推進してきた。昨年の夏、ロシアはこのパイプラインを閉鎖した。シュレーダー氏は出身元である社会民主党の派閥から除名され、政府から供与されていたオフィスも取り上げられた。

 ロシアがいかに欧州諸国を説得する力を持とうとも、その試みはすっかり失敗している。欧州におけるプーチンシンパは主流派から外されているのだ。インフレや公的サービスの問題など、欧州におけるさまざまな不平不満の底流をロシアのせいにしている。今年2月、ウクライナに対し、欧州諸国は経済的、軍事的な援助を行ったが、ウクライナの戦争が長引けば長引くほど、非難合戦が持ち上がるリスクが増す。

 https://www.economist.com/europe/2023/07/03/-vladimir-putins-useful-idiots