英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

沈む欧州株、浮かぶ米国株

 米国株が上昇している。ECBが利上げに踏み切り、欧州株が沈んでいるのとは対照的である。

 木曜日の米国株は上昇した。経済指標は労働市場が軟化する兆候を示しており、消費者支出も穏やかになっている。Fedによるさらなる利上げが不必要になりつつある。

 こうした動きと並行して、ECBは金利を引き上げ、インフレに警戒感を示した。中国の政策当局者はその一方で中国経済の減速に対応して利下げに踏み切っている。

 Fedは14カ月ぶりに利上げを休止した。この休止決定はタカ派的メッセージとともにやってきた。今年あと2回の利上げが予想されるというものだ。しかし、投資家は2023年末までにもう1回、0.25%の利上げができるに過ぎないとみている。

 年内2回の利上げの可能性は非常に低い、という声も出ている。今後3か月間、9月後半のFOMCに向けて、経済は減速し、労働市場にもクラックが生じ、ディスインフレ傾向も続きそうだ。

 経済指標が示すのは、労働市場が冷え込みはじめ、消費者支出も原則しているデータだ。失業保険の申請件数は6月10日の週は26.2万人だった。18か月連続で高い水準になっている。一方、5月の小売り売上は0.3%の伸びにとどまっている。消費者の状態は悪くはないが、6カ月前と比べて悪化している、というものだ。

 米国債の2年物は0.07%ポイント下落した。

 https://www.ft.com/content/c22e14a3-6dbd-4646-af3f-7a7b8474f2be