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ドル高の反転

 大規模なドル高は反転しようとしている。さらなるドル安も予想される。ドルは2022年、2014年以来のラリーとなった。

 米国のドルは2022年、世界経済に痛みを与える能力を持っていることを世界に思い知らせた。投資家はドル高は自然の成り行きをたどっていると楽観的にみている。

 12月28日現在、ドルは今年8.9%上昇した。16の外国通貨対比の指数だ。これは2014年以来のドル高である。しかし、年末に差し掛かると、ドルは防衛的になった。今年の高値の半分にまで値を戻した。投資家が米国のインフレが減速しつつあると受け止め始めたからだ。

 ドルは2021年時点ですでに上昇していた。Fedが2022年に利上げをすると見込まれていたからだ。投資家の間では、ドルは過剰に評価されており、減価に向かうとみていた。

 しかし、これほどインフレがしつこく高止まりすると思っていなかった。あるいは、Fedが4%を超えて利上げするとも考えられていなかった。利上げはドル高を後押しし、世界の投資家の資金を引き付け、米国債のような資産に資金が集まった。

 ロシアによるウクライナ侵攻はドル高に拍車をかけた。ロシアによるウクライナ侵攻がなければ、ドル安はコレクトコールになっていただろうという。

 ドル高の効果は世界に広がっており、外国為替を歴史的な水準まで押し下げた。ユーロは7月にパリティを突破し、英国のポンドは9月になって200年ぶりの安値をつけた。円も1990年代以来の安値をつけた。

 ドルは渦巻のようだ、とTロウ・プライスのポートフォリオマネージャーは話す。ドルの振幅は貿易や金融に使われる第一の通貨であるため、世界中を揺らすことになる。ドル高によって小麦などは割高になり、このことが米国以外の国におけるインフレに拍車をかけている。

 https://www.wsj.com/articles/an-epic-dollar-rally-goes-into-reverseand-investors-expect-further-declines-11672307459?mod=hp_lead_pos7