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モスクワのレッドライン

 快晴。

 アメリカのバイデン大統領は、ウクライナの首脳に対し、ロシアが侵略すれば米国は断固とした対応をとると約束した。ゼレンスキー大統領との電話会談で、国境の軍事展開をめぐり、ロシアとの緊張が高まっていることが明らかになった。

 ウクライナの大統領との電話会談は日曜日に行われた。これはロシアが10万人の兵士をウクライナの東部国境に展開していることを受けた最新の外交的な動きである。

 1月初旬には米国とロシア、NATOの加盟国が話し合いを行う予定である。ロシアはNATOと米国に対し、欧州における軍事同盟の拡大に制限をかけるよう求めている。

 バイデン大統領は日曜日の電話会談において、ウクライナの主権と領土の統一性についてコミットメントを再確約したとホワイトハウスの報道官は声明文で述べた。

 会談の後、ゼレンスキー大統領はツイッターに投稿し、ウクライナと米国、そして同盟国は欧州における平和を守るために共同の行動をとることを議論したと述べた。バイデン大統領のゼレンスキー大統領に対するメッセージは、先週のプーチン大統領との電話会談を反映したものだ。

 バイデン大統領はプーチン氏との会談において、ワシントンと同盟国は断固とした態度をとる準備があると伝えたという。

 ロシアの大統領はこれまでウクライナ侵略の計画は一切ないと述べていた。しかし、先月、適切な軍事技術的な手段をとる準備があり、敵対的な手段には激しく反応すると述べている。それはモスクワにとって「レッドライン」を無視した場合にそうした行動をとるというのだ。

 ロシア軍は2014年3月、ウクライナクリミア半島を強制的に奪取した。当時は親モスクワの大統領、ヤヌコビッチ氏を親民主主義運動が追放した後のことだ。当時の紛争で1万3000人以上の人々が殺された。そして、150万人の住民が避難を迫られた。これはバルカン戦争以来の欧州にとってもっとも大きな危機であった。

 モスクワはウクライナ紛争への関与を否定している。しかし、その後も8年間にわたり、両国の紛争は続いており、ここ数カ月は激化している。

 プーチン氏とバイデン氏の会談について、まじめで実質的な話し合いが行われたというが、ほかの関係者によると、両者の間の合意は不可能だという。

 ウクライナ問題は、北欧諸国にNATOに加盟するかどうかの議論を再び巻き起こしている。フィンランドでは、NATO加盟のオプションを保持し続けていると大統領らが強調している。

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