インフレは懸念すべきか - 英字紙ウォッチング

　インフレは懸念すべき問題なのか。現在のインフレが一時的なものか、それとも持続的なものなのか、政策担当者の意見は分かれている。もし対応を誤れば、経済回復に影響を及ぼしかねない。

　今週月曜日、英国議会において、イングランド銀行のベイリー総裁は議員から過去の高インフレ時代の悪い記憶をよみがえらせるような質問に直面した。

　「われわれは1970年代に向かっているのか」

　それに対し、ベイリー総裁は1975年に24.2％に達した高インフレ時代との違いを訴えた。

　しかしその2日後。インフレ率の新しい数字にイングランド銀行は再び驚いた。10月のインフレ率は4.2％上昇したのだ。過去10年間でもっとも高いペースのインフレ率上昇であり、イングランド銀行の目標のおよそ2倍の高い率だった。

　英国だけではない。過去数十年ぶりのインフレ率という国は米国やドイツ、他の先進諸国でもみられる。2021年当初には些末な政策テーマだったインフレは、現在は急速に主要政策アジェンダに浮上している。