英字紙ウォッチング

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ドラギのイタリア

 ドラギ首相率いるイタリアが変貌を遂げようとしている。フランスやドイツに接近し、EUのモデル国へ変貌を目指す。

 2年前まで、イタリアはEU内部における最貧国に陥る可能性があった。それを恐れたマクロン大統領はローマから大使を召還しようとしたことがあった。

 こうした動きについて、当時のイタリアの外交官らはますます孤立し、イタリア政府はEUの力を弱めようと欲する政治家に率いられた、信頼のおけない、不安定な相手国であると多くの人々にみられていると受け止めた。そして、モスクワや北京政府にもてあそばれる危険性があると。

 しかし、ドラギ首相が首相について3カ月も経たないうちに、ローマだけでなく、パリやベルリンからも、コロナの中にあって、EUの取り組みを議論しつつあると受け止められるようになった。今やイタリアはEUのモデルであるという賞賛の声も聴かれるようになったのだ。

 月曜日にはドラギ首相は、EUの復興基金やローン1900億ユーロを使うイタリアの計画を説明する予定である。イタリアは現在、1990年代以降としてはもっとも多い財政赤字を計上する見込みである。

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