英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

今年のベスト本

 晴れ。

 今年のベストブック。まずFTより。ドン・ウィンズロウの「Broken」、イアン・ランキンがあがっている。

 経済分野では、格差や成長関連のほか、「Bigger Government」で紹介してされている、今後数十年間、先進国の政府支出規模が大きくなっていることを指摘したものは興味ふかい。

 https://www.ft.com/booksof2020

 日本アジアグループの買収について。カーライルグループが日本アジアグループMBOするが、それにアクティビストである村上氏が異議を申し立てている。

 日本アジアグループに対する異議申立てによって、カーライルは村上ファンド側と交渉をする必要に迫られている。村上ファンドシンガポールに現在拠点を起き、小規模な日本企業にグリーンメール的手法で迫っている。すなわち、乗っ取りに必要なだけの株を取得し、企業オーナーに対してプレミアムをつけて買い戻すように求めるのだ。

 カーライルによる日本アジアグループの買収は370億円になる。一株あたりの株価は600円。MBOが公表される前の株価に75%のプレミアムをつけている。

 しかし、投資家は、これだけのプレミアムが付いているのに、日本アジアグループの1株あたりの純資産額を下回っているという。金曜日の株価は、カーライルのつけた買収価格を上回る759円をつけた。

 カーライルによるMBOは日本企業に対し、上場をし続けることのメリットを突きつけ始めている。

 ベインキャピタルやKKRのようなプライベートエクイティは、企業創業者やコングロマリット企業による大規模な資産売却に目をつけている。しかし、カーライルはより小規模な企業で、事業承継が不明瞭な企業に焦点を合わせている。

 望まれていない価格による買収や資産をめぐる低廉な価格競争をめぐるタブーは、島忠をめぐる買収劇で取り除かれつつある。

 村上グループは日本アジアグループの6.1%の株式を取得したと公表した。

 https://www.ft.com/content/9d90975f-40bd-41b9-a805-c19791845fac