晴れ。
SPACの価格が冴えない。熱狂が去りつつある。SPAC経由で上場した企業の株価は最高値と比べて、4割近く安い金額で取引されている。
ブランク・チェック・カンパニー、いわゆるSPAC経由で上場した企業の株価が平均して高値の5分の2ほど安くなっている。米国の株式市場で一時、過熱感もあった市場は急速に冷え込みつつある。
2020年初めから買収を成功させたSPAC41のうち、3つのSPACのみがピークの株価から5%程度の下落にとどまっている。それらのうち18のSPACは株価が半分となった。中には8割株価を下げたものもある。
10億ドル以上の企業価値を持つ企業を買収したSPACの動向を調べた結果である。SPACはこれまで米株の熱狂の背景の1つであった。
まだ決まっていない未上場企業を買収することを約束し、投資家から資金を調達するシェルカンパニーがSPACである。過去1年間でもっとも忙しいビジネスセグメントであった。世界で資金調達された2300億ドルのうち、およそ半分がSPAC関連である。
2カ月ほど前までは、投資家は熱狂的にSPACを追いかけ、株価は高値をつけていた。電気自動車の開発会社から、ソフトウェア会社、不動産融資会社まで、すべてSPAC経由で上場した。
しかし、規制当局がSPAC絡みの情報開示や収入の見通しを精査するようになった。そして、機関投資家もより警戒的な姿勢を見せるようになった。その結果、突然としてSPACの新規発行が止まった。
コロンビア大学ビジネススクールの教授によると、歴史的にマーケットが熱狂するときには、公開した企業の中で業績が芳しくない会社の数が高い傾向にあるというが、このことはSPACブームでも当てはまると指摘する。企業価値が過剰に高くつけられ、市場のセンチメントが熱狂すると、より周辺的な企業が株式上場を目指したがるのだという。
電気自動車のスタートアップXLフリートは、12月にSPAC経由で上場したとき、株価は35ドルの上場時より7割上昇した。しかし、ここ数カ月は7ドルを下回って推移している。
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