英字紙ウォッチング

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ベゾス氏のパラドクス

 雨。

 ソフトバンクグループのフォートレス主導の投資家グループがイギリスで第4位のスーパーマーケットチェーンのモリソンズを買収することを決めた。

 土曜日の朝に明らかになった交渉条件によると、フォートレスはカナダの年金基金のCPPIBなどと組み、1株あたり252ポンドを支払う。

 モリソンズはちょうど2週間前に、プレイベートエクイティのクレイトンから1株230ポンドでの買収提案を受け、拒否していた。フォートレスの提案は42%のプレミアムがついている。

 今回の買収は、KKRが2007年に薬局チェーンのブーツを買収した時以来の大きさだ。コロナ禍で株価の上値が限定的な中での巨額M&Aとなる。

 https://www.ft.com/content/cdd0219a-6acb-4e17-be9f-69c54c85e330

 アマゾンのベゾス氏が退任する。ベゾス氏のパラドクスとは。ベゾス氏は世界最大の大金持ちで、アマゾンを大成功させた。そして、7月に右腕であったアンディ・ジャシー氏に経営権を譲り渡す。しかし、そこには不一致とでもいうべきものがある。

 会社と創業者の富が増えるにつれ、そのイメージは悪いものになっていった。最近のニュースが示すように、アマゾンの労働者たちは困難な目標に向け、限界まで度々押しやられていた。また、規則は恣意的に度々変えられ、人間の虚弱さに対する寛容というものがほとんど見られなかった。

 このコラムの筆者は、2冊のアマゾン本を著している。彼が言うには、ベゾス氏には知性はあるが、人間への共感というものが著しく欠けており、立ち止まることへの恐怖があるという。

 ベゾス氏いわく、変化が激しく、破壊的なテクノロジーの変化がある時代において、物事を早いスピードでこなすことが、将来に対する最大の防御であると信じていた。

 幹部も、一握りのお気に入りの幹部が寵愛され、会社の主導権を握ることになった。それはベゾス氏の個人的な関心から離れていた人物であってもだ。

 こうした数々の失敗と挑戦が可能だったのは、ベゾス氏がトライアル&エラー機械だったせいだ。しかし、ベゾス氏が去った後のアマゾンは「デイツー」状態に陥る。それはつまり、変化のない組織であることを意味する。

 https://www.nytimes.com/2021/07/03/opinion/jeff-bezos-space-amazon.html