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ドルの憂鬱

 晴れ。

 ドルの憂鬱。なぜ機軸通貨はコロナ流行に伴い、その信認が問われているのか。

 ドルはこの1カ月、過去最悪の1カ月に苦しんだ。ドルの世界的な役割についての議論や関心が登場している。

 世界中がコロナウイルスによる経済混乱と株式市場の下落に見舞われた3月、投資家や企業は1つの通貨に殺到した。ドルである。

 企業活動を機能させ続けるために、投資家や企業は米ドル調達に飛びついた。それは多くの日において9%の上昇につながった。それは危機の規模にふさわしい上昇幅だった。しかし、こうした動き自体は事前に予想できたことだ。

 状況が厳しくなると、ドルが上昇する。これは2008年の金融危機時や地政学リスクが浮上したときにも起きたことだ。

 しかし、過去数カ月は事情が異なる。ドルは10年ぶりの貧弱なパフォーマンスを記録した。2018年以来のバスケット価格で最低価格を記録した。このことは、世界金融システムの心臓部と、米ドルの独特の地位について疑問を投げかける。

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