曇り。
欧州復興基金はEUにとって大きなブレークスルーになる、という指摘である。ゲームチェンジャーになると、高く評価されている。
新たな1兆ユーロの7年分の予算と一緒になった7500億ユーロという復興基金創設に向けた合意は、欧州統合にとって歴史的な瞬間となるだろう。EUにとって初めて、全体の赤字を賄うことができた。EUは共同の債券を発行し、その資金をコロナショックで経済低迷に陥っている国々に対して贈与することができる。
この復興基金は一時的なものと考えられている。EU税だけでは7500億ユーロもの資金を賄えないからだ。これは財政同盟には程遠いかもしれないが、わずか数カ月のうちに、EUは緊急的ながら財政移転を成し遂げた。単一市場の桎梏を乗り越えたのだ。
より重要なことは金融同盟の性格を強めていることだ。長期のユーロの活力を考えた場合、今回の取引はゲームチェンジャーになりうる。
フル―ガル・フォーと呼ばれた4カ国の強い反対を受けた後、贈与分の規模は縮小された。これはEU全体のGDPの3%に過ぎない。しかし、今回の基金創設によって再分配の性格を得た。スペインとイタリアは、3年以上にわたりGDPの5%の資金を受け取る。
この資金移転は欧州債務危機のときにギリシャとEUとの間で交わされたような、面倒な監査のようなプロセスは存在しない。
https://www.ft.com/content/ce611960-cb58-11ea-9f2a-f28f919e3c0e
これはエコノミストより。