曇り。
アメリカの雇用統計。失業率はなんと下落し、13.3%となった。高水準だが、動きが早い印象だ。
当然のことながら、マーケットはこの数字を好感し、株価は上昇している。
5月の新規雇用者数は250万人も増加。コロナウイルスによる経済へのダメージは、早くも薄れた格好だ。
4月の数字は、2070万人の新規雇用者の減少だった。3月は140万人が雇用を削減されており、これらの数字を埋めるべくもない。特にレジャーや観光、建設、小売り、教育、ヘルスケア部門における雇用カットが目立った。行政部門の雇用も60万人近く減少した。
今回の労働市場の改善は、米国は考えられていたよりも速いスピードで経済がコロナの影響から回復するのではないか、という期待を浮上させている。Fedは、最初の2カ月の雇用喪失がより加速するのではないかと警告していた。
しかし、失業が減少したとは言っても、失業率自体は依然として2008年の金融危機当時の数字を上回っている。
あるエコノミストは、はっきりしたことは、労働市場で通常に戻るのはまだほど遠いことだ。しかし、回復のスピードは今年後半の回復を期待させるものだ、と話す。
人種をめぐる不正義についての抗議活動が続く中、雇用統計の数字は、アフリカ系アメリカ人の失業が依然として高止まりしていることを示している。失業率は5月も16.8%とほぼ変わらなかった。
家計や労働者は、ホワイトハウスと議会が3月に合意した3兆ドルもの財政刺激策を注視している。5月までに個人や失業給付の形で、数十億ドルの資金が直接流れ込んでいる。
市場は雇用統計の数字に率直に反応した。株価は上昇し、国債金利は上昇した。10年国債の金利は13ベーシス上昇し、0.96%をつけた。これは3月20日以来の高い水準である。
https://www.ft.com/content/30995608-48b3-48a2-98e6-dd4e89d7bad7