英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

16年ぶりの低失業率

 快晴。
 雇用統計。新規雇用者数は13・8万人の増加。失業率は4・3%まで低下した。16年ぶりの失業率の低さだが、新規雇用者数の増加幅は減速している。
 長く、ゆっくりした米国経済の回復過程は、質の高い労働者を企業が確保するのに苦労する新たなステージにはいった。
 失業率4・3%というのは、2001年5月以来のことだ。
 しかし、雇用創出の力は冷え込んだ。
 失業率の低下が示すのは、労働市場はほぼ完全雇用に近いということだ。ほとんどの労働者が短期間で仕事を見つけることができる。FRBは長期の失業率の水準をこれより高く見積もっており、それは4・7%から5%の間とみている。その結果、雇用創出が減速しているのかもしれない。いくつかの企業において、労働者を増やすスピードが減速し、企業が考えていたよりも低い成長を受け入れざるを得ない。
 全米でみると、建設労働者の週間労働時間は30分ほど伸びた。建設分野では、利用可能な労働者が実際に不足している。時間あたり賃金はわずかしか増えていないが、残業時間が増え、手取りの稼ぎは10%から25%まで増えている。
 日本と似ているが、労働市場の需給は引き締まっているのに賃金上昇は鈍い。これはコナンドラムだ。
 https://www.wsj.com/articles/u-s-added-138-000-jobs-in-may-1496406822
 米国経済は強弱両方のメッセージを発し始めた。ここ数週間、インフレ率は減速しているが、FRB幹部らは、失業率の低下が賃金と物価の上昇圧力を再び強めるかもしれないと警戒している。
 経済は相反するようなシグナルを送り始めている。失業率は16年ぶりの低水準だった。しかし、インフレ率は過去5年間でようやく初めてFRBの目標とする2%を超えた。
 しかし、FRB幹部らは現在、雇用と失業率の低下が次第に物価上昇圧力となっていくとの見方を堅持している。
 FRB幹部は、3月と4月のインフレ率の減速は一時的である可能性を指摘している。そして、利上げの計画は予定通りであり、6月に利上げした後、年内にもう1回以上の利上げを予定している。
 金曜日の雇用統計は強弱両方のニュアンスがあった。3月と4月の数字は下方修正された。
 また、平均時間給の上昇率は2・5%で、先月の上昇ペースと変わっていない。
 https://www.wsj.com/articles/fed-focuses-on-job-gains-as-economy-sends-mixed-messages-1496395804