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Fedが2.3兆ドルの資金供給に踏み切る。ハイイールド債市場と地方自治体の資金供給を支えるのが狙いだ。
パウウェル議長は、経済がコロナショックから回復するまで「Fedはその力を力強く、事態を先取りしながら、アグレッシブに使っていく」と述べた。2.3兆ドルの追加の特別な資金供給を行っていく。
木曜日にブルッキングス財団のウェブキャストを通じてパウウェル議長は呼び掛けた。今後数週間のうちに特別臨時の手段が発動される。
パウウェル議長は「われわれはFedの貸し出し能力をこれまでになく、最大限拡張していく」と述べた。パウウェル議長のいう、緊急手段とは、回復がなされればなくなるもので、民間市場や民間の企業などが信用チャネルを供給する機能が回復すればなくなる。
この背景には、米国で失業保険給付件数が660万人に達したことがある。これによって、コロナウイルスが企業倒産を引き起こし、累計で1700万人の失業者が新たにうまれたことになる。
Fedはすでに政策金利をゼロ近くに引き下げ、バランスシートも国債や政府保証債を購入することで拡大させている。木曜日には、新たなローンファシリティを創設することで、小規模事業者や自治体向けに2.3兆ドルの資金供給に乗り出す。先月導入した社債市場向け支援も拡充する。
先月議会が可決した2兆ドルの財政支援策の一部として、3500億ドルの貸し出しファンドも創設する。具体的には、額面で担保をとって中小企業ローンを手掛ける金融機関に対し、信用を供与する。
苦境に陥っている州や地方自治体も救済するよう、Fedは圧力を受けていた。地方債を買い上げることで、自治体のキャッシュフローストレスを軽減するよう求められていた。
今回のFedの行動は、金融市場を支援するために、できることは何でもする、という姿勢が表れたものだ。今回の措置でも、地方債の発行・流通市場における、より長期のカーブへの直接介入は回避した。しかし、そのマーケットの状況を注意深く見守るという。
パウウェル議長はスピーチの中で、Fedができることにいくらかの限界はある、と述べた。というのも、中央銀行は貸出能力はあるが、消費能力はない、ということだ。
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