英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

トルコ中央銀行総裁の解任

 雨。

 トルコのエルドガン大統領が中央銀行総裁を首にした。任期を1年残しての退任となる。トルコ経済が不安定な中、中央銀行の独立性へ疑問符がついた格好だ。

 解任は土曜日の早くに発表された。4年の総裁任期を1年残し、退任することになった。

 後任の総裁は、国営銀行でエコノミストとして活動してきた人物を充てる。直前までは何人かいる中央銀行副総裁の一人だった。

 エルドガン大統領はこのところ、高い金利がトルコ経済を傷つけているとして、不満を漏らしていた。三週間後には金融政策決定会合を控えており、緩和サイクルに動くとみられていた。

 トルコは昨年発生した通貨危機に伴い、経済低迷を克服すべく苦闘している最中だった。リラは30パーセント近く減価している。

 トルコはロシアから防衛システムを来週受け取ることになっており、それに伴ってアメリカの経済制裁が発動され、トルコ経済の混乱を国際投資家は懸念していた。トルコの野党は、今回の総裁解任が違法であると疑問視している。

 トルコ中央銀行は、経済が低迷する中、政策金利を維持し続けており、称賛を受けていた。金利を維持することで、25%をつけていたインフレリルは先月は15.7%まで鎮静化していた。

 7月25日には次の金融政策決定が行われるが、エルドガン氏の今回の動きにより、従前よりも大きく金利が引き下げられるとの観測が出ている。

 https://www.ft.com/content/4f59b13a-9fc2-11e9-974c-ad1c6ab5efd1