英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

保守主義の危機

 エコノミスト最新号のカバーストリー。保守主義の危機を説いている。

 ロシアのプーチン大統領は、リベラルな思想は時代遅れであると述べた。我々がその考えに同意しないとしても、それは驚くべきことではない。それは、プーチン氏がフィナンシャルタイムズに対して述べたように、リベラリズムは移民や多文化主義ジェンダー政治のようなものだと述べただけでなく、間違った標的を彼は取り出しているからだ。

 西側諸国においてもっとも脅威にさらされているのは、保守主義なのだ。

 米国や英国のような二大政党システムにおいて、右側勢力が政権についている。しかし、それは保守主義と定義されていた価値を放棄することによって、政権についているのだ。多数政党の政治システムをとるドイツやスペインなどの国々では、中道右派は後退している。フランスやイタリアでは骨抜きになっている。

 民主主義の伝統がより短いハンガリーなどの国においては、右派勢力はポピュリズムと化している。

 保守主義は単なる哲学というよりも、性質に近いもんだ。マイケル・オークショットいわく、保守的であることは、知らざることに親しむこと、挑戦していないことに挑戦することと述べた。

 https://www.economist.com/leaders/2019/07/04/the-global-crisis-in-conservatism