英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

投資家の債券回帰

 晴れ。

 12月は世界の債券市場にとって、例年になく良い年であった。経済環境に暗雲が垂れ込めるに伴い、安全資産である債券はプラスに転じている。

 グローバルな債券市場は昨年12月ベストな月を享受した。安全資産を求める投資家の動きが反映された。

 株式市場から投資家が離れていく「サンタクロース相場」は、不振にあえぐ債権投資家にいくらかの小休止をもたらした。2018年の多くの期間、グローバルな債券市場は強いプレッシャーを受けていた。Fedは金利を引き上げ続け、バランスシートを縮小。ECBも金融緩和の手じまいに乗り出している。

 その結果、11月中旬までに、世界中の国債社債をカバーする指標は3・7パーセントの損失となった。株式市場の下げと比べて穏やかなロスだったが、過去10年間を振り返ると、最悪のパフォーマンスだった。

 しかし、2019年の経済見通しが暗くなり、楽観論が退潮していくにつれ、投資家は安全資産である債券に戻っている。投資家の中には、Fedは見通せる将来、利上げを打ち止めにし、2019年は引き締めないかもしれない、と予想する向きもある。場合によっては緩和に転じるかもしれない。

 何か根本的な変化が起きない限り、成長の減速やワシントンにおける政治の停滞などは、国債金利をさらに押し下げ、10年金利は2・25%まで下がるだろうと、ある投資家は予想する。

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