英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

米欧貿易戦争

 晴れ。
 トランプ氏の課した鉄鋼関税の期限が近づき、欧州諸国は瀬戸際に立たされている。欧州の鉄鋼生産者は鉄鋼関税によってどれほどの打撃を受けるのか、かたずをのんで見つめている。
 米国と欧州連合の間の貿易をめぐる手詰まりは月曜日の遅くまで持ち越した。トランプ政権が最後の瞬間まで関税を課するのか、決定を遅らせているからだ。
 自ら課した真夜中の期限まで数時間という段階で、トランプ大統領は上級幹部らと会合を持った。欧州連合に対し制裁の対象外とするのかどうか、問題を議論するためだ。ホワイトハウス高官は、大統領が現在の一時的な例外措置を延長する可能性について言及した。
 以前公表された韓国を関税から永久に排除するという計画は最終的に実行された。そして、例外措置はカナダとメキシコにも適用されるという。今後数週間のうちに、ブラジルとアルゼンチン、オーストラリアに対する扱いも決定される見込みである。
 最終決定はトランプ大統領が行うものの、EUとの交渉はロス商務長官が監督している。交渉は緊張に満ちたものであるようだ。
 関税をめぐる決定は、イランの核合意とロシア制裁、中国の経済的脅威など、他の重要な問題が浮上している中での決定となる。行動を遅らせることは、米欧双方にとっての圧力を減じることになりうる。
 先週、メルケル首相とマクロン大統領がホワイトハウスを個人的に訪問したが、大西洋にまたがる貿易をめぐって妥協はならなかった。
 トランプ政権内の貿易タカ派は、米国の国内産業を国際的な力から守るために、幅広い分野で貿易を制限する措置を提言している。
 https://www.wsj.com/articles/u-s-allies-braced-for-new-round-of-tariffs-1525095113
 3月の米国のインフレ率は、Fedの目標とする2%に到達した。商務省が公表したPCEインデックスは3月に2%を超えた。過去1年間で初めて2%を超えた。
 物価上昇の主要なドライバーとなっているのは、原油価格だ。3Mは、第1四半期の売上増加7・7パーセントのうち、原油価格は0・7パーセントポイントほど寄与したと述べている。食品とエネルギーを除く指数は前年比で1・9%伸びた。米国でも労働者が不足気味で、労働者を確保するためにサービス産業でインフレが加速している。耐久財は2・4パーセント下落した一方、サービス価格は2・8%上昇した。ここ数年、弱弱しいインフレ率は、Fedが利上げを進めるうえで、主要なファクターであり続けた。
 しかし、今後数か月、インフレ率を持続的に上向かせる要素がある。ドル安と貿易関税だ。低失業率が賃金上昇を通じてインフレに作用する可能性もある。減税による個人消費の上昇も追い風となりうる。
 インフレ率は昨年、携帯電話料金の低下によって弱含んだ。しかし、今年はそうした懸念は存在しない。
 https://www.wsj.com/articles/u-s-inflation-hits-federal-reserves-2-target-in-march-1525093405