中国に焦点を合わせるため、トランプ氏は同盟国に対する関税を引き下げる。まずはカナダとメキシコの間で進め、欧州や日本に課する予定だった関税を延期する。
トランプ氏は米国の同盟国との貿易に関する緊張を和らげる方策に打って出る。そのことで、中国との貿易戦争に集中する。
米国は金曜日に、カナダとメキシコとの間で鉄鋼とアルミに関する関税をなくすことで合意した。この1年間、この問題をめぐり、北米各国の間で摩擦の種となっていた。
欧州と日本の自動車に関する関税をすぐに課すことがないよう、決断もした。ただ、海外の輸入車が米国の国家安全を脅かしているとの言辞は変えないでいる。トランプ氏はライトハイザー氏に指示をし、日本や欧州などの貿易パートナーと自動車の輸入について調整するよう、交渉を開始させる。交渉期限は6か月だという。
金融市場は、中国との貿易戦争が激化し、それがカナダや日本などに波及するのではないかと恐れていた。
水曜日の夜には、トランプ氏がファーウェイを輸出に関するブラックリストに載せることを発表し、米中間の緊張が一層高まった。米国の議会、特に共和党は、トランプ氏の保護主義的な動きの結果、経済が不安定になることに神経をとがらせている。
カナダとメキシコとの鉄鋼に関する交渉は、議会がNAFTA見直しの結果を緩和するために、議会が長らく求めていたものだ。米国の関税撤廃と同時にカナダの報復関税の廃止は、日曜日に発効する。関税の代わりに数量規制を課されることもない。
カナダとメキシコからはこの措置を歓迎する声が上がっている。
https://www.ft.com/content/9aca49e0-78a3-11e9-be7d-6d846537acab
トランプ氏は、イランとの戦争は回避できると述べた。
トランプ氏は、米国はイランとの戦争には至らないだろう、と述べた。米国とイランとの間の紛争リスクについて懸念が高まっていることを和らげようという発言だ。
記者団から「イランと戦争になるか」と問われ、答えたものだ。トランプ氏のタカ派的なアドバイザーらが、イランに強硬な姿勢を見せているが、トランプ氏自身は消極的のようだ。イランとしても米国と軍事的に対決することは避けたいとみられる。イランがなぜ米国に先制攻撃をすると考えるのか、わからない、と西側外交官の一人は述べた。
ニューヨークタイムズの報道によると、トランプ氏はシャナハン国防長官と会い、イランと戦争に至ることを望まないと述べた、という。
米国とイランは公式の外交関係を結んでいないが、スイスが米国の代理としてテヘランで動いているという。
議会も、イランの動きが米国の脅威になっているという、情報機関の主張を精査するよう要求している。議会の民主党トップは、トランプ政権が言うように、イランの脅威は正当化しにくい、と述べた。上院でも、高まりつつある脅威とは具体的に何か、説明するよう要求している。
https://www.ft.com/content/1e59341a-77fa-11e9-be7d-6d846537acab
タイムズの記事はこちら。
https://www.nytimes.com/2019/05/16/world/middleeast/iran-war-donald-trump.html