英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ロシア人追放

 晴れ。すっかり春めいてきた。
 米国と同盟国は多数のロシア人をスパイ毒殺容疑に関連して追放処分にした。モスクワと西側諸国との対立は冷戦以降でもっとも高い水準に達している。モスクワ政府は報復を行うと警告を発した。
 西側諸国はウクライナへの軍事介入と米国の大統領選挙への介入に関連し、制裁措置を課してきた。ロシアのシリアにおける介入も西側諸国との緊張を増す一因となってきた。
 https://www.wsj.com/articles/u-s-expels-60-russian-officials-over-poisoning-of-ex-spy-in-u-k-1522071201
 しかし、そのトランプ率いる米国の対ロシア姿勢は一貫しないものになっている。プーチン大統領の再選を祝うことで、米国の議員たちに怒りを募らせた数日後、今度はモスクワの外交官ら60人を追放した。トランプ氏の命令で行ったこうした措置は、超党派の支持を受け、タフな政策だと称賛された。
 しかし、外交政策の専門家らは、追放措置はゲームチェンジにならないと述べている。そして、ロシアに対するトランプ大統領の支持、不支持が入り混じった態度を浮き彫りにすると指摘している。つまり、外交官の追放は政策ではなく、西側諸国との連帯の宣言なのだ、という。モスクワに真剣に制裁を科すのであれば、国際金融システムから締め出したり、ロシア中央銀行に制裁を科するなどの行動が必要である。
 専門家は、米国の対ロシア姿勢はソフトなのではなく、一貫性がない、と指摘している。
 https://www.ft.com/content/e5ed628c-3104-11e8-b5bf-23cb17fd1498