英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

新規雇用は減速

 快晴。抜けるような青空である。
 米国の12月の雇用統計の結果が出た。失業率は17年ぶりの低さとなった。しかし、新規雇用者数の増加幅は減速している。
 新規雇用者数は季節調整値で14・8万人の増加だった。2017年の1年間の新規雇用者数の総計は210万人。新規雇用者数が200万人を超えて増加するのはこれで7年連続となった。そして、これほど長きにわたって経済が雇用を生み続けるのは1990年代に続き、過去2回目の記録である。
 失業率は4・1パーセントにとどまった。これは2000年12月移行でもっとも低い水準であり、この状態が3ヶ月連続で続いている。
 失業率の内訳をみると、黒人の失業率は6・8%、これは1972年移行でもっとも低い。
 雇用の拡大は87ヶ月連続でつづいており、これは最長である。
 今回の雇用拡大過程は、その力強さよりも長さが際立っている。平均の雇用者数の伸びは年率2・5%で、平均的な伸び率である。
 さらに議会による減税案が発効すれば、個人や企業の所得が伸び、さらなる経済の拡大が見込めそうだ。エコノミストの予想によると、今年はさらに200万人の雇用者数の伸びが見込まれている。
 分野別に雇用の伸びをみると、建設や製造業、ヘルスケアなどの分野で伸びており、小売の雇用者数は逆に現象した。
 理論上は労働者が希少になれば、賃金が伸びるはずだが、時間あたりの賃金は2・5%の伸びだった。2015年以降から続いている、ゆっくりとした賃金の伸びだ。
 賃金の伸びがゆるやかだと、FRBの利上げペースも制限されたものになりそうだ。今年は3回の利上げが予想されており、次回は3月が見込まれている。
 企業の中には質の高い従業員を確保できず、事業計画の変更を迫られているところもある。労働者は、より賃金の良い仕事を求めて、頻繁に職を変わる。
 https://www.wsj.com/articles/u-s-employers-slow-pace-of-hiring-in-december-1515159117