注目の2月の雇用統計結果が発表された。新規雇用者数は23・5万人。失業率は4・7%に低下し、時間あたり平均賃金も2・8%伸びた。来週のFOMCにおける利上げが視野に入ってきた。
米国経済は史上3番目に長い景気拡大局面にある。
ホワイトハウスの報道官は、雇用創出のジャンプスタートだ、大統領の行動だけでなく、選挙後に引き起こされた経済への信認と楽観論によるものだ、と述べた。
しかし、ブームが切迫したものかどうか結論づけるのは時期尚早だ。冬の天候が温和なものだったため、季節に左右される建設セクターなどの雇用ペースはよかった。しかし、それ以外のセクターでは今年前半の活動はそれほど加速していない。
四半期ベースの成長率が2%を下回るのも、貿易赤字の拡大と消費者支出が弱いためだ。
プライムエイジと呼ばれる25歳から54歳までの働き盛りの世代の比率は、78・3%に達した。これは2008年10月以降で最高の数字だ。労働参加率も63%に上昇しており、雇用市場が健康になっている兆候である。
Fedにとって、2月の雇用統計で鍵となるシグナルは、賃金の上昇だ。2007年から09年にかけてのリセッションの終わりには、2%の伸びにとどまっていた。企業はこのところ、賃金の上昇圧力を感じており、これが物価の上昇につながりうる。たとえば、レジャーやホスピタリティ分野では4・2%の賃金上昇率になっている。
ヘルスケア分野では2月に2万7000人、雇用が増えたが、政府の政策もあって先行きには暗雲が垂れこめている。
https://www.wsj.com/articles/u-s-added-235-000-jobs-in-february-unemployment-rate-4-7-1489152730